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2020.09

  • EU
  • セキュリティ、プライバシー
新型コロナウイルス対策アプリの相互運用に向けた動き
欧州委員会は、9月14日、新型コロナ対策用モバイル追跡アプリケーションの機能を欧州地域レベルでフルに発揮させるため、EU加盟各国で運用されている同アプリの相互運用を実現するゲートウェイサービスのテスト運用を開始したことを明らかにした1

欧州域内での新型コロナ対策アプリの相互運用については、今年5月に欧州委員会が「相互運用性ガイドライン」2を発表したほか、6月には加盟各国が相互運用で合意するなど、その実現に向けて準備が進められてきた。

技術的仕様の相互調整により、アプリ間の安全な情報交換が可能になり、域内でのシームレスなアプリ活用を実現させるのが目的である。加盟国の多くは、様々なコロナウイルス対策を補完する目的で、期間限定で利用者が任意で使用できるモバイルアプリの採用を開始している。また、分散型アプローチ導入についても概ね賛同している。アプリ間で共有された接触関連情報は、アプリデータ保護に関するEUの厳格なガイドラインに従い、個人が特定されないよう暗号化される。その際、地理位置情報は利用しない方針である。

このゲートウェイサービスは、システムの効率化を図るため、各国のアプリやサーバからの情報を統合するものであり、今回の試験では、Apple-Google Exposure Notification API:AGFを利用して接触確認アプリを運用するチェコ、デンマーク、ドイツ、アイルランド、イタリア、ラトビアで用いられている公式アプリのバックエンドサーバーと、新規に設置されるゲートウェイサーバーとの相互接続と運用を実施する。

ゲートウェイシステムの開発は、ドイツの接触確認アプリ開発に関わったドイツテレコムグループのT-Systemとビジネスソフトウエア大手のSAPが担当し、ルクセンブルグに所在する欧州委員会のデータセンターで運用される。

正式運用は10月の開始が予定されており、アプリ間の安全な情報交換と欧州域内でのシームレスなアプリ活用の実現が期待されている。

1 https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_1606
2 https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/ehealth/docs/contacttracing_mobileapps_guidelines_en.pdf