連邦ネットワーク庁(BNetzA)は、2020年8月26日、今後の周波数割当計画をまとめたSpectrum Compass 2020
1を公表した。2025年末及び2033年末に免許期限を迎え、それ以降に再割当てが予定される帯域を明示し、また、割当て手続きの基本原則を示すことで、通信事業者をはじめ、ICT業界のステークホルダーが効果的な投資計画を立てることができるようにすることを目的としている。BNetzAは、10月23日までパブリックコメントを受け付け、それを踏まえ、今後のモバイルブロードバンドの向上に向けた周波数割当て手続きを策定する予定である。
同計画の対象とされる周波数帯域は以下の通りである。
■2026年1月1日から使用可能になる帯域
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‒ 800MHz帯:791MHz-821 MHz /832 MHz - 862MHz(計30MHz幅×2)
‒ 1800MHz帯:1710MHz - 1725MHz / 1805MHz - 1820MHz及び1740MHz - 1750 MHz/1835MHz - 1845MHz(計25MHz幅×2)
‒ 2.6GHz帯: 2500MHz - 2570MHz/2620MHz - 2690MHz(計70MHz幅×2)、2570 MHz - 2620 MHz(unpaired)(50MHz幅×1)
■2034年か1月1日から使用可能になる帯域
‒ 700MHz帯:703MHz - 733MHz/758MHz - 788MHz(計30MHz幅×2)
‒ 900MHz帯:880MHz - 915MHz/925MHz - 960MHz(計35MHz幅×2)
‒ 1800MHz帯:1725MHz - 1740MHz/ 1820MHz - 1835MHz及び1750MHz - 1785MHz/1845MHz - 1880MHz(50MHz幅×2)
‒ 1.5GHz帯: 1452MHz - 1492MHz(unpaired)(40MHz幅×1)
BNetzAは、これらの周波数割当に関して、以下の基本方針に基づき、手続きを進めていくこととしている。
■透明性を原則とする手続き:
‒ 客観的で、透明性を持ち、非差別的な手続きを通じて周波数を割り当てる。
■周波数割当て程度:
‒ どの周波数帯域を、またどの程度の帯域を割り当てるか検討する。各帯域の需給状況、新規事業者などの周波数の利用者の拡大の有無を考慮して帯域の開放を検討する。
■モバイルカバレッジの向上
‒ 周波数割当の際に、どのようなカバレッジ義務を課すかを検討する。ネットワークの拡大・サービス普及の向上を目指しつつ、これまでのカバレッジ義務の成果、事業者間の競争・サービス価格への影響なども考慮しつつ、新たな割当てに課すカバレッジ義務を検討する。
■競争の公平性・持続可能性
‒ 公平かつ持続可能な競争を勘案した手続きを策定する。
■電気通信法改正後の規制措置
‒ EUの欧州電子通信コード(EECC)の国内法制化によるドイツ電気通信法の改正後の周波数割当に関する規制の在り方を検討する。ネットワークの向上に向けて、カバレッジ義務、通信インフラ共有、ローミングなどの規定を周波数割当て手続きにどのように反映するか検討する。
■企業の事業計画と投資効果の確保
‒ 民間企業が、事業計画を最大に拡張し、また、投資効果を確信できるようにするために、周波数利用期限以前の適切なタイミングで周波数割当て手続きを開始する。例えば、5G関連では、2019年の2GHz帯、3.6GHz帯オークション後、2025年に免許期限を迎える帯域に関しては2022年から、2033年に免許期限を迎える帯域に関しては2030年を目途にそれぞれ割当て手続きを進める予定である。(図表1参照)
1https://www.bundesnetzagentur.de/SharedDocs/Downloads/EN/Areas/Telecommunications/Companies/TelecomRegulation/FrequencyManagement/ElectronicCommunicationsServices/SpectrumCompass2020.pdf?__blob=publicationFile&v=1
22010.5 - 2024.7MHzは、欧州地域の周波数統一政策で、2025年12月31日以降、移動体/固定通信網(MFCN)で利用できない。