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2020.07

  • 韓国
  • クラウド、ビッグデータ、電子政府
大規模公共事業の韓国版ニューディールで雇用創出とでデジタル化加速
新型コロナ禍を機に、韓国政府は国の最上位戦略として、5GとAIを積極活用する大型デジタル化プロジェクトを2025年まで進め、雇用創出につなげるとともにデジタルトランスフォーメーションを加速化しようとしている。文在寅大統領は2020年5月に国家プロジェクトの韓国版デジタルニューディールを進める方針を発表。7月に国民に向けて具体的計画の韓国版デジタルニューディール総合計画が明らかにされると同時に政策が動き出した。韓国版ニューディールはデジタルニューディールとグリーンニューディールの二つを軸に構成され、2025年までに国費114兆ウォンを投じて190万の雇用創出を目指す。

このうちデジタルニューディールでは、2025年までに総額58.2兆ウォン(うち国費44.8兆ウォン)を投じて5GとAI活用のデータダムのような大規模ITインフラ構築を通じ、社会の非対面化とデジタルトランスフォーメーションを急速に進める計画。4分野で12の個別プロジェクトが実施されるが、目玉となるプロジェクトは次の五つである。

①データダム
②知能型(AI)政府
③スマート医療インフラ
④国民安全基盤施設(SOC)のデジタル化
⑤デジタルツィン

データダムでは2022年までに整備する5G全国網を基盤に全産業への5GとAI活用拡大を図る。そのために2021年までに約14万の公共データ全体を開放し公共ビッグデータ分析システムを構築する。分野別ビッグデータプラットフォームも現在の10から30種に拡大し、データ取引と流通活性化を図る。5G網早期全国拡大のため投資の税額控除等民間投資のインセンティブを整備し、デジタルコンテンツ、自律走行車、自律運航船舶等の5G活用サービスを開発し、公共分野から先行的に導入し民間への拡大を図る。AI活用は、スマート工場、スマート建設、医療、スマートファーム等全産業領域で進める。公共分野では感染症、医療、治安等の経済的波及効果と国民の体感度が高い戦略分野において「AI+Xプロジェクト」を進める。

AI政府プロジェクトではブロックチェーン・AI・5G・クラウド等の新技術を活用。ブロックチェーン活用モバイル身分証を導入し、必要なサービスを適時にお知らせし対話型で申請などができるAI秘書サービスを導入する。公共部門の有線通信網は5Gに置き換え、小規模電算室で運用中の公共の情報システムは2025年までに官民クラウドセンターに移行。

スマート医療インフラ整備では毎年スマート病院3か所を構築し、2025年までに計18か所を整備する計画。コロナ封じ込めで世界的に注目を集めている韓国が、コロナ禍克服のデジタル化に向けた対応の早さでもさらに注目を集めそうである。