オランダ経済気候省（Ministry of Economic Affairs & Climate Policy）（オランダ語：Ministerie van Economische Zaken en Klimaat (EZK)）は2020年7月21日、6月29日に開始された5Gマルチバンドオークションが終了したことを発表した（注1）。免許期間が20年間の700MHz帯、1400MHz帯、及び2100MHz帯の全国免許を、既存の携帯事業者であるKPN、VodafoneZiggo、及びT-Mobileの３社が、それぞれ4億1,600万ユーロ、4億1,600万ユーロ、4億ユーロで落札した。
既存事業者３社は、700MHz帯で2×10MHz、2100MHz帯で2×20MHzを獲得し、1400MHz帯では、KPN及びVodafoneZiggoがそれぞれ1×15MHzを、T-Mobileが1×10MHzを獲得した。
700MHz帯及び1400MHz帯の周波数は割当て後に利用可能であるが、2100MHz帯は2021年初頭より利用可能となる。当該免許の落札者は、国内全ての地方自治体の地理的範囲の98％をカバーする義務を負う。
一方で、現在、衛星通信に使用されている3.6GHz帯のオークションは、2022年に実施される予定である。ただし、3400-3450 MHz及び3750-3800 MHzの周波数帯は、ローカル5Gとして使用できるように確保されている。
なお、VodafoneZiggoは、2020年4月下旬に、オランダ国内の半数以上で5Gサービスを開始したことを発表した。同社は、エリクソンと提携し、既存の4G LTE周波数の一部を5Gに動的に割り当てることを可能とする動的周波数共用（Dynamic Spectrum Sharing：DSS）技術を使って、5Gサービスを実装した。競合事業者であるKPNとT-Mobileは、今後数か月以内に5Gネットワークを立ち上げる予定である（注2）。
（注1）
https://www.agentschaptelecom.nl/actueel/nieuws/2020/07/21/kpn-t-mobile-en-vodafoneziggo-verwerven-frequenties-via-multibandveiling
（注2）
http://5gobservatory.eu/netherlands-multi-band-5g-auction-raises-1-23-billion-eur/