2020.06
5G普及に向けた動的周波数共用(DSS)の広がり
AT&Tラボで発案され、現在は動的周波数共用(DSS)として知られるコンセプトは、既に一部のネットワークで運用が始まっている。
AT&Tが推進したこの技術は、最終的には5G規格に取り入れられるまでに至り、今後5Gの普及にも重要な役割を果たすことが予想される。
DSSは、通信事業者が4G、5Gユーザの間で同じチャンネルを共有できるようにするもので、LTEを停波することなく5Gの運用を開始し、ユーザにシームレスな通信体験を提供することを可能にする。
DSSの「動的」という言葉は、需要に応じて4G、5Gそれぞれにリソースを割り当てるところから来ており、その効果は、トラフィックの需要がどれだけの頻度で変わるか、また、どの程度の単位でリソースを配分するかによる。
ソフトウェア・ベースのDSSは、短期的には、周波数を5G用に回収・再割当てする必要がないことから、5Gへのスムーズな移行と普及を促すことが期待される。
AT&Tは2020年後半にDSSを導入し、テキサス州北部の一部で最初に利用可能になる。
また、ベライゾンも5G用にローバンド及びミッドバンドの周波数が十分でないため、DSSには積極的である。6月にテキサス、ミネソタ両州での実証実験を完了し、年内に全国で5Gを全国提供する計画が予定どおり進められることを確認できたとしている。
今回の実証実験で、ベライゾンはエリクソンとノキアとそれぞれ協力、DSS技術のすべてのインフラ・ベンダーと活発に協働している。
一方で、すでに600MHz帯を使って5Gを全国展開しているT-モバイルはDSSに否定的である。