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2020.05

  • アメリカ
  • セキュリティ、プライバシー
米国における新型コロナウイルスに関わる虚偽情報についての取り組み
サイバーセキュリティ・インフラストラクチャ・セキュリティ庁(CISA)は、5月8日発表した「インサイト」シートで、中国が新型コロナウイルス流行に乗じて西側同盟国間での不和を生み出し、自国強化を図っていると警告した1。具体的には、「中国や他の独裁国家が外国に非難の矛先を移し、自分たちと敵対する自由主義国家を分断しようとしている」と警告した。加えて、ニュースの検閲、ソーシャルメディアでの虚偽情報流布、政府が巧妙に制作した動画の宣伝などがよくある手口だとしている。さらに、中国国営メディアが様々なソーシャルメディアを使って、中国が新型コロナウイルスを迅速に抑制している一方で、米国や他の西側諸国は対応に失敗しているという主張を広げようとしていることにも注意を喚起している。
また、新型コロナウイルスの誤った治療法、5Gがウイルスを拡散させる、または、国家警備局が全国的な検疫を支援するといったデマも広がっていると指摘し、ネット上で何かを共有する前に冷静に考え、共有前にcoronavirus.govのような信頼できるサイトにアクセスするようアドバイスしている。
一方、新型コロナウイルス流行の最前線に立つ100人以上の医師・看護師は、非営利活動家グループのAvaazと共同で、医学的に誤った情報への対策に積極的に取り組むよう求める書簡を大手ソーシャルメディア・プラットフォーム各社に送った2。フェイスブック、ツイッター、グーグル、YouTubeのCEO宛てに送付された書簡は、5月7日付けニューヨーク・タイムズにも広告として掲載されており、誤った情報が人命を危機にさらしていると警告している。テクノロジー企業は、報告を受けた一部のコンテンツを削除する、世界保健機構(WHO)に無料で広告枠を提供するといった努力は続けているものの、まだ対応は不十分だとし、誤った情報を目にしたユーザへの注意喚起や、有害なコンテンツをおすすめから削除するためのアルゴリズム変更などが必要だとしている。

また、YouTube、Vimeo、フェイスブックをはじめとするソーシャルメディア運営会社は、新型コロナウイルスに関する陰謀論動画を削除している3。この26分の動画は、「Plandemic」という長編映画の長い「予告編」として配信されており、これまでワクチンの効果について数々の誤った主張を繰り返してきた反ワクチン運動家のジュディ・ミコヴィッツ氏への長いインタビューをフィーチャーしている。YouTubeは、新型コロナウイルスに関する医学的根拠のない助言を含む動画を削除しており、問題の動画もこれに含まれると説明している。フェイスブックは、「マスク着用で病気になるという示唆は、差し迫った害につながるため、動画を削除した」としている。ツイッターは、別のインタビューを共有するミコヴィッツ氏のツイートについて、同社の新型コロナウイルスに関するポリシーに違反するものではないとしているが、「#PlagueofCorruption」「#PlandemicMovie」というハッシュタグを検索、トレンドから削除したという。

1 https://www.cisa.gov/sites/default/files/publications/CISAInsights-COVID-19_Disinformation_Activity_508.pdf
2 https://secure.avaaz.org/act/media.php?press_id=996
3 https://www.washingtonpost.com/technology/2020/05/07/plandemic-youtube-facebook-vimeo-remove/