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2020.01

  • アメリカ
  • セキュリティ、プライバシー
ロボコール対策法が成立、拡大する迷惑電話対策
トランプ大統領は2019年12月30日、「Telephone Robocall Abuse Criminal Enforcement and Deterrence (TRACED) Act」法案に署名し、違法なロボコールを一層厳しく取り締まる新法が成立した。

同法は、加入者の希望に応じて高度なロボコール・ブロック機能や発信者確認機能を無料で提供することなどを電気通信事業者に義務付けるものである。司法省は、違法なロボコール発信者にこれまでよりも厳しい罰則を科し、違法なロボコールから医療分野を守る対策を強化する。この他、発信者情報の偽装対策として、電気通信事業者に「STIR/SHAKEN」規格による認証枠組の導入を義務付けるよう米国連邦通信委員会(FCC)に指示している。

すでに導入されている「電話勧誘お断り番号リスト制度」(National Do Not Call Registry)は、電話勧誘を受けたくない消費者によって登録された電話番号への勧誘を禁止するものであるが、発信者情報を偽装できる「Caller ID Spoofing」と呼ばれる技術が普及し、着信拒否が難しくなっていることや、海外のコールセンターから米国の消費者にロボコールをかけるケースが増えていること、そもそも非合法な詐欺グループなどはこの制度を全く意に介していないことなどから、有効性に疑問が持たれていた。

ロボコールをブロックするサービスを提供するユーメールによると、2019年に米国市民の電話に着信したロボコールの数は585億件で、2018年の478億件から22%増加、2年分を合わせると1,000億件を超えており1、ロボコール対策法が圧倒的賛成多数で議会を通過したのも、このような状況が背景に存在している。

また、「電話勧誘お断り番号リスト制度」と同様の制度はカナダや英国などでも導入されているが、カナダでもカナダ・ラジオテレビ電気通信委員会(CRTC)から2019年12月までに特定の迷惑電話に対する遮断システムを各通信事業者に実装するよう指示が出され、各社が対応を行うなど、各国においてもロボコール含めた迷惑電話に対するより厳しい取り締まりへ向けた議論が進んでいくと見られている。

1https://robocallindex.com/history/time