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2019.11

  • アメリカ
  • 放送・メディア
メディア大手各社による定額制オンライン動画配信サービス続々
従来のテレビ事業の縮小を受け、メディア大手各社による定額制オンライン動画配信サービスへの参入が続いている。

最近では、アップルが11月1日に100か国以上で「Apple TV+」の提供を開始した。同サービスはオリジナル作品のみを配信するため全体の作品数は少なめだが、その分月額料金は4ドル99セントと安い。さらに、9月10日以降にiPhone、iPad、Apple TVデバイス、iPod touch、Macを購入したユーザは、1年間の無料視聴特典を受けることができる。

また、ウォルト・ディズニーは同月12日に「Disney+」の正式提供を開始した。同サービスは米国、カナダ、オランダで提供されており、月額6ドル99セントで500本の映画と7,500本のTVエピソードを視聴できる。加入者数はサービス開始から24時間で1,000万人を突破し、好調なスタートを切った。ただし、様々な割引や無料視聴プランが提供されているため、ディズニーに実際にどれほどの収益がもたらされるかは現時点では不明である。同社は2024会計年度末までに同サービスの加入者数が6,000万~9,000万人に成長し、この時点で同サービスが黒字に転換すると見込んでいる。

一方、ケーブル最大手のコムキャストは、2020年4月より「Peacock」を提供開始予定。同サービスの詳細はまだ明らかにされていないが、コムキャストのケーブル加入者には無料提供される見込みだという。同社にとっては、既存有料放送事業者を脅かさない定額制オンライン動画配信サービスを作り上げることが課題となっている。

通信大手AT&T傘下のワーナーメデイアは、2020年5月に月額料金は14ドル99セントの「HBO Max」の提供を開始する予定である。「Apple TV+」や「Disney+」と比べると高めの値段設定だが、AT&Tの映像サービス・プラットフォームを利用しているHBO加入者やHBONow.com加入者には無料視聴を可能にし、AT&Tの映像、移動通信、ブロードバンド加入者には「HBO Max」を含むバンドルを追加料金なしで提供する。コンテンツは1万時間分が既に用意されており、定額制オンライン動画配信サービスとしては初めてジブリ映画の配信権も取得している。

いずれの新サービスもネットフリックスの牙城を崩すことを狙っているが、「Apple TV+」や「Disney+」のような安価なサービスが特に大きな影響を投げかけるのではないかとみられている。ネットフリックスの米国における加入者数は約6,060万人。2019年第3四半期の営業利益は6億6,500万ドル(前年同期比2億6,200ドル増)だったが、コンテンツ制作費やマーケティング支出が増大しているため、2019年第4四半期には大幅減少すると予想されている。