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2019.10

  • 韓国
  • スマート社会
5G活用スマート工場拡大に向けた取り組み
BtoBでの活用が本命視される5Gであるが、国策で5G活用促進を進める韓国では、中でも5G活用スマート工場の早期実装と拡大が期待されている。2019年4月の5G本格的開始とタイミングを合わせ、政府横断の「5G+戦略」が発表され、5G活用戦略指定5サービスの一つにスマート工場が指定されている。戦略により、2022年までに中小企業工場1,000か所を5Gスマート工場化する目標値が組み込まれた。韓国では中小企業の5Gスマート工場化を促進することが大きな特徴でもある。

10月には5Gスマート工場化を進めるための具体的支援策もまとめられた。関連する省庁の中小ベンチャー企業部・産業通商資源部・科学技術情報通信部(部はわが国の省に相当)のスマート工場普及関連事業を統合して「パッケージ型」で連携支援する。

5Gソリューション開発面の支援策として、例えば、産業用5G対応端末(3.5/28GHz対応)のプロトタイプ年内200台制作と2020年上半期商用化、2020年までに5G活用縫製特化ロボット実証完了に官民折半で予算12億ウォンを投入する。5Gソリューション導入のための助成金申請は中小ベンチャー企業部の既存の制度を活用する。申請窓口もワンストップ化された。中小ベンチャー企業部では、5Gソリューション導入費用を企業が3年で分割払いできる制度も5月から導入している。さらに、通信料金は現在届け出制だが、通信キャリアが5Gソリューション普及関連料金プランを柔軟に設定できるように規制サンドボックスを適用する方針。

現時点での5Gスマート工場はまだ数か所にとどまる。5Gスマート工場の普及促進制度が整備されたが、実際の普及は2020年からになる背景として、①28GHz帯活用、②3GPPでの標準化、➂5G SAネットワーク活用が2020年からとなることが挙げられる。韓国では5Gに3.5GHz/28GHz帯を2018年中に割り当てたが、現在提供されている5Gサービスは3.5GHz帯のみの利用。低遅延、高速大容量等の5Gの特性が活かせる28GHz帯の活用は2020年から。韓国の通信キャリアは28GHz帯を流動人口密集地域やスマート工場、監視カメラ、建設現場等の無人自律作業で活用するとしているが、それ以上の詳細用途についての言及はまだ無い。2020年が5Gスマート工場普及拡大の大きな正念場となる。