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2019.09

  • 中国
  • 次世代ICT
北斗衛星測位システム、39の衛星が軌道上に、2020年に全面完成へ
中国では、独自開発した衛星測位システムの完成に向け、2017年末以降、相次いでの衛星打ち上げを実施し、2020年に全面完成を目指すとしている。現時点で、39の衛星が軌道上にあり、同システムによるRNSS(Radio Navigation Satellite System)サービスが既に提供されている。中国のほか、ロシア、ミャンマー、ラオス、カンボジア、タイ、インドネシア、パキスタン、クウェート、アルジェリア、ウガンダ等の国におけるサービスの利用ができる。2019年には更に5~7基の衛星、2020年には2~4基の衛星がそれぞれ打ち上げられる予定となっている。

2019年以降、衛星に搭載されている原子時計の精度向上により、衛星測位の精度も高まってきている。このほか、機能の拡張により、測位のタイムサービス性能、地域ショートメッセージの通信サービス能力が引き上げられ、ショートメッセージ通信や、国際救助、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS)等のサービスも利用できるようになった。

中国国内の各業界における北斗の利用が普及しつつある。交通運輸、海洋漁業等の分野において、2019年4月現在、中国国内で620万台の道路営業用車両、3万5,600台の郵政及び宅配便車両、36都市の約8万台の公共交通車両、3,230基の河川測位施設、2,960基の海上測位施設が北斗システムを利用している。200万台以上の完成車が出荷前に北斗対応の機器を内蔵している。

中国衛星ナビゲーション測位協会(GLAC)によれば、2012年から現在まで、中国の衛星測位と位置サービス産業の年平均成長率が約20%を維持しており、2020年における衛星測位産業全体の生産高が4,000億元に達する見込みである。今後、5G時代の到来に伴い、「北斗+5G」は空港管理、ロボット巡回、スマート運転、物流管理等の分野での利用も広がり、北斗システムの産業革新の中核的原動力になると期待されている。