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2019.09

  • インドネシア
  • ブロードバンド
新首都予定地周辺のICTインフラ整備
2019年8月、Joko Widodo大統領は、面積の大きな部分を熱帯雨林やプランテーションが占める東カリマンタン州の都市であるバリクパパンとサマリンダの間となる地域(注)に首都を移転すると発表した。移転の開始は2024年とされている。

これまで、人口、産業、資金、情報が集積されてきたジャワ島から、外島への首都移転となるために、新首都における情報通信インフラの整備は移転の大きな鍵となる。

新首都予定地域におけるインフラ整備の状況は、まず、固定網では、国内すべての県・市を接続するパラパ・リング・プロジェクトについて、すでにカリマンタン島部分は完成しており、バリクパパン-サマリンダ間のケーブルが新首都予定地を通過しているものとみられる。また、国際海底ケーブルについては、Indonesia Global Gatewayがバリクパパンに陸揚げされているので、ジャカルタやシンガポールとのアクセスが確保されている。

移動網については、最大事業者のTelkomselの社長が、首都予定地域には既に1,360基の3G/4G基地局を設置しており、既にバリクパパンで提供されている4.9Gクラスのデータサービスの供給が、すぐにも可能としている。また、首都予定地域のスマートフォン率が約70%であるという情報も披露した。

とはいえ、東カリマンタン州のこれまでの開発状況を考えると、今後5年間でさらにバックボーンの容量増設や、アクセス網の高度化が図られることになるだろう。

(注)東カリマンタン州は、日本ではボルネオと呼ばれる島に位置し、新首都予定地はクタイ・カルタネガラ(Kutai Kartanegara)県と北プナジャム・パスル(Penajam Paser Utara)県の両県にかかる地域で、選定の理由は、自然災害のリスクが少ないこと、インドネシアの中央に位置すること、地方都市に近くインフラ整備が容易なこと、政府の保有する大規模な土地があることが挙げられている。ただし、バリクパパンの人口は約85万(2015)、サマリンダは約81万(2015)である (ジャカルタ1018万(2015))。