2019.06
5G周波数オークション終了。新興事業者1&1ドリリッシュが3社寡占にくさび
連邦ネットワーク庁は6月12日、3月19日に開始された5G向け周波数オークションが終了したと発表した。既存事業者のドイツ・テレコム、ボーダフォン、テレフォニカ・ドイツに加え、振興事業者である1&1ドリリッシュも周波数を獲得したことで、大手3社による市場寡占に風穴が空くことが期待される。
オークションの落札総額は65億4,965万EUR(約8,019億円)。落札結果は以下のとおりである。
≪2GHz帯≫
*ドイツ・テレコム:40MHz幅、8億5,152万EUR
*ボーダフォン:40MHz幅、8億650万EUR
*テレフォニカ・ドイツ:20MHz幅、3億8,110万EUR
*1&1ドリリッシュ:20MHz幅、3億3,499万EUR
≪3.6GHz帯≫
*ドイツ・テレコム:90MHz幅、13億2,342万EUR
*ボーダフォン:90MHz幅、10億7,318万EUR
*テレフォニカ・ドイツ:70MHz幅、10億4,372万EUR
*1&1ドリリッシュ:50MHz幅、7億3,519万EUR
なお、連邦ネットワーク局は入札について「成功裏に終わった」と声明を発表したが、総額21億7,494万EURと最多額を投じたドイツ・テレコムは、入札価格の高さを指摘。今回のオークション結果には後味の悪さを感じるとのコメントを発表している。同社取締役会メンバーであるDirk Wossner氏によれば、ドイツの周波数価格は他国よりも遥かに高額。通信事業者はネットワークを拡大するための資金難に直面しているが、5G周波数オークションでの多額の出費により、同国におけるネットワーク展開はさらに後退したという。同氏は、今回のオークション収益額でモバイル基地局約5万局を新たに構築し、多くの空白地帯を解消できたはずだとしている。