[HTML]
H1

詳細ページ

お知らせ表示

2018.11

  • 韓国
  • モバイル
通信サービスと端末販売の完全分離を巡る論争
現在日本では、携帯電話の端末購入代金と通信料金の完全分離について議論が進められているが、韓国ではこれよりもさらに徹底した通信と端末販売の完全分離が検討されており、帰趨が注目されている。韓国では国会が中心となり、移動通信サービスと携帯電話端末の販売場所自体を完全に別々にする形の完全分離法案がまとめられようとしている。そのため、完全分離の制度化をめぐる攻防戦が繰り広げられている。

日韓の携帯電話と通信サービス販売スタイルは大変よく似ている。韓国で、キャリア代理店や携帯ショップ以外で端末を購入してから移動通信サービスプランに別途で加入する顧客の割合は10%以下と少ない。これまでも端末販売時の補助金の透明化に向けた規制が強化されてきたが、現在も不法補助金問題はゼロになったわけではない。通信サービスと端末販売の売り場が同じだと、モバイルキャリアがショップに渡す不透明な販売奨励金(リベート)が結局消費者に上乗せされる構図であるという批判がかねてからなされてきた。

情報通信分野の国会常設委員会所属議員が、2019年に通信と端末販売の完全分離制度を導入する法制定を目指す方針を11月に発表した。通信キャリアは政府決定には従うとして賛成しているが、代理店・ショップは死活問題として反発している。また、国会が乗り気であるのに対し、所轄官庁の科学技術情報通信部は市場の自主性に任せたいとして法制度化には慎重な姿勢を見せている。とりわけ、国内に2万店が存在し店員数6万人といわれる携帯電話サービス代理店や販売ショップのビジネスモデルのあり方についての議論は後回しとなっており、慎重なアクセスが必要な問題でもある。

通信と端末の販売場所の完全分離で特に端末料金の引き下げにつながるという論調が見られる一方、懐疑的な見方も多い。この問題については2019年2月頃に国会専門委員会レベルの公聴会から本格議論を開始する予定。