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2018.06

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iOS 12、緊急通報時に端末が把握している現在位置情報を同時発信
現在、緊急通報「911」のほとんどは携帯電話から発信されるようになっているが、その発信位置を特定することは難しく、初動が遅れる原因にもなっている。業界団体によると、米国では毎年、およそ2億4,000万件の911が行われ、そのうち約80%が携帯電話からの発信だという。
 
新興企業のRapidSOSは、この問題を解決するためにスマートフォンやその他のインターネットに接続する端末から911通報センター内のソフトウェアに直接、位置情報を伝送する技術を開発している。
 
RapidSOSは、アップルと提携を結び、iPhoneから911に通報を発信すると自動的に現在位置も911通報センターに発信されるようにすると発表した。この新機能は、今年後半にリリースされる「iOS 12」で追加される予定。
 
AT&Tやベライゾンなどの携帯電話事業者は、911通報センターに端末の位置情報を提供することが義務付けられているが、この情報は、誤差数100ヤード(約91メートル)で、Uberやグーグル・マップなどのアプリに比べると精度が低いのが現状。位置情報の精度を向上させることにより初動対応時間を1分短縮できれば、年間1万人の命を救うことができるという試算もある。
 
端末から位置情報を発信する技術の開発は、グーグルも進めており、同社は、昨年にはAndroid端末から位置情報を911通報センターに発信する技術のテストを開始した。グーグルもRapidSOSと提携しており、テストでは平均で半径121フィート(約37メートル)の範囲で発信位置を特定できたという。
 
RapidSOSの技術を導入している911通報センターは、全国でまだ半分以下だが、同社の技術は無料で利用可能である。RapidSOSは、年内には過半数の911通報センターで同社技術が導入される見込みとしている。