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2018.05

  • アメリカ
  • セキュリティ、プライバシー
米政府、中国ZTEへの制裁措置を発表
2012年の議会報告でファーウェイやZTEが国家安全保障上の脅威となるとの指摘がなされるなど、米国政府は以前から、中国電気通信機器メーカーが中国政府の影響下にあり、中国政府の要請で通信の傍受や妨害に協力するのではないかとの疑念を持ち続けてきたが、2018年4月、ついに具体的な対策が打ち出された。
 
米商務省は4月16日、中国の通信機器大手「ZTE」が米国製の通信機器をイランや北朝鮮に違法に輸出していたとして、米国企業が同社に製品を売ることを7年間禁止すると発表。連邦通信委員会(FCC)も翌17日、国家安全保障に脅威となり得る企業から通信機器を購入するためにユニバーサル・サービス基金(USF)の補助金を充てることを禁止する案を全会一致で採択した。
 
ところがトランプ大統領は5月13日、ZTEが事業を再開できるよう協力する考えであることや、中国で多くの雇用が失われたことについて問題解決を図るよう商務省に指示を出したことをツイッター上で明らかにした。さらに翌14日には、ZTEの事業再開が米国の雇用や輸出を守ることにも繋がると説明し、ZTEに対する制裁の行方には、中国と交渉中のより広範な通商協定や自身と習近平国家主席との個人的な関係も反映されると述べた。
 
これに対し議会からは、中国との貿易交渉に臨む米国の立場を弱めるものだとの批判や、ZTEに対する制裁はサイバースパイに対するものだとの指摘が続出しているが、ウィルバー・ロス商務長官は「ZTEはハイテク物資の輸出が禁止される 『バッドリスト』 に載っている」とした上で、当初の制裁に代わる代替的な措置があるかについて極めて迅速に検討すると語っている。
 
ZTEは、米国では、AT&T、T-モバイル、スプリントに端末を販売しており、その端末は、クアルコム、マイクロソフト、インテル等が提供する部品に依存している。米国企業は、ZTE機器で使われる部品の25-30%を提供していると見込まれている。
 
なお、英国のサイバーセキュリティ当局も4月16日、ZTE製品が中国政府の諜報活動やサイバー攻撃に使われる可能性があるとして、国内電気通信事業者に同社製品を避けるよう警告している。