運輸・通信省(MCIT)は、2017年1月に、第4番目の移動体通信事業者(MNO)としてMyanmar National Tele & Communications(MNTC)に免許を正式に交付した。同社は、国内外の資本により構成される合弁会社(図表参照)であり、Mytelのブランド名でサービスを提供する。向こう5年で最大20億米ドルを投資する計画で、低価格サービスでシェアを広げるとしている。
図表 MNTCの資本構成
社名 |
概要 |
資本保有率 |
ヴェトテル(Viettel) |
ベトナム軍系列事業者 |
49% |
スターハイ・パブリック・カンパニー(Star High Public Company) |
ミャンマー軍下にあるミャンマー・エコノミック・コーポレーション(Myanmar Economic Corporation:MEC)の子会社 |
28% |
ミャンマー・ナショナル・テレコムホールディング(Myanmar National Telecom Holding) |
国内企業11社のコンソーシアム |
23% |
MNTCの免許期間は15年で、3億米ドル。2013年に先に新規参入した Ooredoo Myanmar及びTelenor Telecomeが支払った免許料(5億米ドル)よりも免許料の金額が低いが、これは、後発事業者であるMNTCの競争上の不利を補うため、とMCITは説明している。
MNTCに割り当てられた周波数帯域や割当て量に関する詳細情報は公開されていない。ただし、MNTCは、ミャンマー軍が経営しているMECの下で通信事業を行っているMECTelの設備を利用して、サービスを提供することが明らかにされている。MECTelは、2013年に、ミャンマー郵電公社(MPT)の設備を使ってMVNOサービスを開始した事業者であるが、現在、通信タワー約1,000基(CDMA(符号分割多重接続)方式)、及び総延長13,000kmの光ファイバなど通信設備を保有していると言われている。MECTelは、ネットワーク設備サービス個別免許(Network Facilities Service (Individual) Licence)を付与されているものの、MNOとしては位置付けられていない。国際通信には、は、ベトナムとアジア、ヨーロッパ、アフリカを結ぶ光海底ケーブルAAE-1(Asia-Africa-Europe-1)(全長2万5,000km)を利用する。