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2017.05

  • 中国
  • 事業者のM&A・国際展開
「一帯一路」構想に呼応する中国移動と中国電信の取組みについて

中国移動は、「一帯一路」に関連したインフラ構築の取組みとして、これまで、単独または協力の形で、東北アジア、中央アジア、南アジア、東南アジアの方面に8本の越境陸上光ケーブル、また、アジア太平洋、欧州等方面に5本の国際海底ケーブルを構築した。このほか、「一帯一路」沿線国に29のPOP(Point Of Presence)を構築し、国内において5つの国際通信業務関門局を整備した。現在、「一帯一路」沿線の21か国・地域において39のTD-LTE商用網の構築も進められている。

通信サービス料金の引下げについて、中国移動は2014年以降、8回に渡って国際通信ローミング料金を引き下げてきた。2017年5月1日に「一帯一路一元」ローミング料金を打ち出し、沿線64の国・地域の国際ローミングの音声通話料金を1分間0.99元に引き下げた。

今後の計画では、中国移動は4つの面で「一帯一路」に取り組んでいくとしている。具体的には、①通信インフラ能力の更なる向上、②通信業務協力の強化に加え、料金低減を引き続き推進し、中欧、アジア太平洋、メコン川流域等におけるマルチルートの通信業務を実現すること、③新技術や新業態における協力方式をさらに開拓し、GTI(Global TD-LTE Initiative)の影響力を生かし、TD-LTEネットワークの国際カバーを拡大すること、④投資により新しい市場へ進出するチャンスを模索する。

一方、中国電信は今後3-5年かけて、「一帯一路」沿線主要地域における情報高速道路を構築するため、10億ドルの自己資金を投資する計画を発表した。これによって、2025年までに電気通信産業チェーンに100-200億ドルのビジネスチャンスをもたらすとしている。

中国電信の計画は、「一帯一路」構想に記載されている11の戦略経路、3つの地域経路のうち、12の経路に関わる。その中で重点的に進められている4つのプロジェクトは、それぞれ、①中国・ラオス・タイ陸上ケーブル経路、②中国・パキスタン情報コリドー、③シルクロード光ケーブル、④中国・ミャンマー・バングラデシュ・インド経路である。