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2017.03

  • 中国
  • 次世代ICT
中国の人工知能(AI)分野における官民の取組み

中国は2012年から人工知能(AI)分野における新規取得の特許件数が米国を超え、AI企業の資金調達規模が米国に次ぐ2位となっている。また、米国ホワイトハウスのレポートによると、2014年以降はディープラーニング分野の論文発表数及び被引用数において、中国が米国を上回っている。

近年、中国政府によるAI分野への投入も拡大している。科学技術部は、AIの基礎研究と技術革新をフォローし、「863計画」や科学技術支援計画、国家重点研究開発計画といった技術開発計画の実施を通じて、AIの技術と産業発展を推進している。

政府は、特に脳型知能(Brain-inspired intelligence)、スマート情報処理、スマート・ヒューマン・マシン・インタラクション等の研究開発を重点的に支援しており、9つのプロジェクトに合計で3億9,000万元を拠出した。また、スマート交通、スマートグリッドなどのAI技術産業応用分野において、政府は17のプロジェクトに計8億1,000万元を投じた。

企業の中では、IT企業の科大訊飛に加え、ICT事業者の百度(Baidu)やテンセント(Tencent)、ライドシェアリング最大手の滴滴出行(DiDi)など各社も相次いでAI研究施設を設け、いち早くこの分野への関わりを強めている。

百度は近年、売上高の約15%を技術の研究開発に投入しており、2013年以降、ビッグデータラボ、ディープラーニングラボ、シリコンバレー人工知能ラボを設置した。また、2016年9月、AI、仮想現実(AR)、拡張現実(VR)といった次世代科学技術プロジェクトを専門としたベンチャーキャピタル(Baidu Venture)を設立した。1期目の資本金は2億ドルにのぼる。百度の李彦宏董事長が新会社の董事長を兼任することで、重要プロジェクトの評価に直接関わる。新設のベンチャーキャピタルは、既存の百度投資チームから独立し、新しい評価メカニズムによるより効率的な投資を目指す。

李董事長は予てから、インターネットの次はAIであると指摘しており、2016年9月の百度世界大会では自社プロジェクト「Baidu Brain」を発表し、音声・画像・自然言語処理等の最新成果を披露している。