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2015.03

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  • モバイル
工業・情報化部、FDD-LTE事業を正式に許可

工業・情報化部は2015年2月27日、中国電信と中国聯通に対してFDD-LTE事業の経営許可を付与した。

同部は、中国移動を含む通信事業者3社のうち、中国電信と中国聯通だけにFDD-LTE免許を付与した理由について、2014年から2社にそれぞれ56都市でのFDD-LTE/TD-LTE混合網の試験を実施させ、その実行の可能性を検証してきた結果を見てのことと説明している。試験を通じて、2社はネットワーク・カバーや相互通信、干渉解消等においてノウハウを積み上げてきており、融合網の商用化条件が整ったからと判断された。

また、工業・情報化部は融合網構築の意義について、FDD-LTE/TD-LTE技術の優位性を総合的に生かし、FDD/TDDの周波数資源を十分に活用するとともに、1つのコア・ネットワークとFDD-LTE/TD-LTEという2つの無線アクセス方式を含むLTE網は、各地域における実際のニーズや周波数状況を踏まえたLTE基地局の技術方式の柔軟な選択により、深く広いネットワーク・カバーを実現し、ネットワークの全体的な容量を最大限引き出すものであるとした。

FDD-LTE免許を取得した中国聯通は、モバイルブロードバンド戦略を進め、カバレッジの拡大と通信スピードの高速化により競争力を高めていくと表明したのに対して、中国電信は、ユーザーに対する質・量ともに充実したサービスを保証し、混合網の優位性に基づく発展を実現していくと表明している。中国電信は、2014年9月にノキア・ネットワークスと共同で、商用チップセットを搭載した端末間では世界初となるFDD/TDD間のCA(キャリア・アグリゲーション)を実現した。

ちなみに、2013年末に通信事業者3社がTDD方式のLTE 経営許可を得てから、相次いでサービスを開始したが、TD-LTE への移行に不向きの3Gを運営する中国電信と中国聯通に比べて、TDD方式の3Gを運営してきた中国移動のほうが優位で、積極的にサービスを進めてきた。その結果、2014年末現在、9,746万に達するLTE加入者のうち、中国移動が約92%を占め、独り勝ちの状態となっている。このような背景状況もあり、FDD-LTEの事業許可による3社間のLTEサービス競争が本格化し、最終的には通信料金の引下げや接続速度の上昇等につながることも期待されている。