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2016.08

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中国の配車市場で新たな競争局面

配車アプリ最大手の滴滴出行(Didi)は8月1日、Uberと戦略的合意書を締結し、Uber中国のブランド、サービス、データなどの全資産を買収して中国本土で運営すると発表した。

滴滴出行とUberは互いに株式を持ち合い、Uberは滴滴出行の17.7%、Uber中国の他の中国株主は滴滴出行の2.3%の株式を持つことになる。また、Uberのトラビス・カラニック最高経営責任者(CEO)は滴滴出行役員に就任し、他方、滴滴出行の程維CEOはUber役員に就任する。

米国やカナダ、その他約100か国では利益を計上しているUberだが、中国では滴滴出行と熾烈な争いを繰り広げ、料金値下げで競い合ってきた。このような状況もあり、UberのカラニックCEOが取締役会の圧力を受け、Uber中国の売却を求められたとされる。

中国市場において、Uberは60の都市で操業し、月間1億5,000万回以上の配車を行っている一方、滴滴出行はおよそ87%の市場シェアを占めている。滴滴出行は、今回の買収と合わせてUberに10億ドル出資することにも同意。今回の買収を同社の国外進出の準備と見る向きもある。

滴滴出行は昨年、アリババ・グループとテンセントが出資するそれぞれ別の会社が統合して誕生。これまでUberのライバルであるLyftにも1億ドルを出資するとともに、LyftやインドのOla、東南アジアの新興であるGrabなど他の配車サービスと提携も結んでいる。また滴滴出行には、アップルも10億ドルを出資している。

なお、今回の買収は商務部による審査が必要となっており、手続きが終われば、現在の4大陣営(滴滴出行、Uber中国、神州専車、及び易到用車)による競争がまた新たな局面を迎える。