台湾の通信放送委員会(NCC)は、2.6GHz帯をLTE等4Gに割り当てるため周波数オークションを実施した。2014年10月に、FDD用に2500MHz-2570MHz/2620MHz-2690MHzの140MHz幅(70MHz×2)を、また、TDD用に2570MHz-2620MHzの50MHz幅を割り当てることが発表され、2015年11月17日にオークションが開始された。FDDでは4つの周波数ブロック、TDDでは2つの周波数ブロックがオークションの対象とされ、2015年12月7日、中華電信、台湾之星、亜太電信、遠傳電信が落札した。オークションには5事業者が参加したが、このうち台湾モバイルは落札できなかった。落札総額は、279億2,500万ニュータイワンドル(NTD)であり、事前にNCCが設定した最低価格の総額144億NTDの2倍近くの金額となった。
なお、今回オークションの対象となった帯域には、WiMAXに割り当てられていた周波数の一部を再割当てしている。WiMAXに関しては、NCCは、2007年に3つの周波数ブロック(2565~2595MHz、2595~2625MHz、2660~2690MHz)をそれぞれ南北2地域に分けて、計6事業者(大衆電信、遠傳電信、全球一動(旧称:創一投資)大同電信、威邁思電信、威達雲端)に免許を付与したが、WiMAXのサービス普及が進まないため、2014年5月、これらの免許の更新を行わず、割当帯域をLTE等のモバイル・ブロードバンドに再割当する方針を採択した。WiMAX事業者のうち、全球一動はTDD-LTEへの免許切替えを申請したが、NCCは、2015年10月にこれを却下し、今回のオークション実施に至った。
2.6GHz帯オークション結果
(単位:億NTD)
ブロック |
方式 |
周波数帯域 |
落札事業者 |
落札価格 |
最低価格 |
D1 |
FDD |
2500MHz~2520MHz; 2620MHz~2640MHz(20MHz×2) |
台湾之星 |
66.15 |
35 |
D2 |
FDD |
2520MHz~2540MHz; 2640MHz~2660MHz(20MHz×2) |
中華電信 |
69.5 |
37 |
D3 |
FDD |
2540MHz~2560MHz; 2660MHz~2680MHz(20MHz×2) |
遠傳電信 |
69.5 |
37 |
D4 |
FDD |
2560MHz~2570MHz; 2680MHz~2690MHz(10MHz×2) |
中華電信 |
30.05 |
19 |
D5 |
TDD |
2570MHz~2595MHz (ガードバンド2570MHz~2575MHzを含む) |
亜太電信 |
22.25 |
9 |
D6 |
TDD |
2595MHz~2620MHz (ガードバンド2615MHz~2620MHzを含む) |
遠傳電信 |
21.8 |
7 |