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2015.03

  • 韓国
  • 放送・メディア
再び期待を集めるデジタルサイネージの現状と課題

各方面から成長が期待されてきたデジタルサイネージであるが、未だにぱっとした成果が見当たらない。しかし、最近の世界的な景気回復基調、政府のスマートメディア産業育成戦略の戦略育成サービスの一つにデジタルサイネージが盛り込まれたこと、IoTサービスとの連携、といった観点で、再び期待を集めている。

政策面では、2014年12月に未来創造科学部がまとめた「スマートメディア産業育成計画(2015~2020年)」で戦略育成プロジェクトに指定され、2015年中に規制改善やデジタルサイネージ産業への投資促進を目的とした振興法を制定する計画である。同時に屋外広告物の規制緩和も進められる。

関連業界も再び新たな動きを見せている。スマートフォンに代わる成長エンジンを模索中のサムスン電子はB2Bビジネスへのシフト姿勢を見せており、2015年3月に米国のLEDデジタルサイネージ専門企業YESCO買収を発表した。サムスン電子は2014年中に、スペインや英国の空港運営ソリューション企業との提携を拡大し、世界の空港のデジタルサイネージ商戦に向けて体力を増強中。LG電子も2014年末にデジタルサイネージ事業強化に向けた組織再編を行っている。

デジタルサイネージのソリューションを提供する主なプレイヤーは、通信事業者やCJパワーキャスト等である。総合通信最大手KTは、消費者の生活空間の動線に沿ったサイネージ提供のために各種媒体確保に向けて動いている。2018年ピョンチャン冬季五輪の公式スポンサーでもあるKTは、鉄道公社と提携し、仁川空港からピョンチャンまでの鉄道と駅のデジタルサイネージ導入等で協力する。

一方、スマートフォン普及に対応し損ねた失敗事例もある。コンテンツ提供面での主要プレイヤーのインターネットサービス大手ダウムカカオは2010年から、ソウル地下鉄などの駅に46インチのタッチパネル式の情報端末サイネージ「デジタルビュー」を設置してきた。しかし、スマートフォン普及に伴いデジタルビューの利用者は減少の一途のため、最近、地下鉄駅からの撤去が決定された模様。

今後は、店内や家庭内の家電と連携したインドア方式や参加型のデジタルサイネージの成長が相対的に高くなるとの予想もある。なお、デジタルサイネージ振興法制定は既に遅れが指摘されており、予定通りに規制緩和が進むかが注目される。