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2015.02

  • 韓国
  • モバイル
端末流通法施行で韓国端末市場に変化の兆し

国内端末メーカーの最上位機種が圧倒的に強く、海外メーカーが次々と撤退したことで「海外端末の墓場」とも呼ばれた韓国の携帯電話端末市場に異変が起きている。原因は、2014年10月に、端末奨励金(補助金)の根絶を狙いとして施行された端末流通法の影響と見られている(同法の内容と影響については、下記リンクの研究員レポートを参照)。

まず、同法では発売から15か月以内の端末に補助金上限を定めているため、最近では規制対象外の発売から15か月を過ぎた端末への補助金が厚くなり、これらの型落ち端末の在庫一掃ともいえる商戦が過熱化している。

さらに、海外メーカーの端末が韓国市場に商機を見出そうとするようになった。キャリアは最新端末に手厚い補助金を出すことができなくなったため、中低価格の海外端末の需要が拡大しつつある。iPhone以外の海外端末が大苦戦した韓国市場であるが、モバイル市場第3位のキャリアLG U+が、2014年末からHuaweiのスマートフォンX3を発売したのに続き、最大手キャリアSKテレコムも中国家電メーカー大手TCLアルカテルの端末の2015年中の発売に向けて準備を進めている。MVNO市場も拡大を続けていることから、海外メーカーの中低価格端末への注目は当分続きそうである。さらに、キャリア以外の経路で入手した端末での通信サービス加入時にも料金割引のインセンティブが与えられるようになったため、SONYやHuaweiもキャリア以外のルートを通じての端末販売に乗り出すなど、商機を見出そうとしている。

また、韓国市場は最もiPhoneが売れない市場と言われてきた。特に、スマートフォン時代になってからは、国内端末市場はサムスン電子のシェアが60%超の一強時代となり、iPhoneのシェアは10%前後であった。しかし、2014年秋にキャリア3社を通じて発売されたiPhone 6が国内端末市場でのシェアを伸ばした。発売直後の2014年11月の国内市場でのAppleのシェアは3割超を記録。スマートフォン時代になってから国内市場で、海外メーカー端末のシェアが2割を超えたのはこれが初めて。この背景としては、国内メーカーの最新機種に集中的に手厚く支給された補助金慣行が弱まり、海外メーカー端末の競争の下地が整備されたことに加え、キャリア3社間の一斉発売によるマーケティング競争の影響、が挙げられる。これらの変化が定着したものとなるか、今後の推移が注目される。