東南アジア地域で、ブロードバンド・インフラストラクチュアの全国整備が遅れている国のひとつとみなされているインドネシアでは、電子商取引の拡大やオンデマンドのコンテンツサービスの隆盛により、各方面からインターネットの高速化が要求されている。
たとえば、インドネシア・インターネット協会(Asosisasi Penyelenggara Jasa Internet Indonesia:APJII)会長は、事業者と政府の優柔不断によりインフラの整備がゆっくりとしたペースでしか進行しないと指摘している。
一方、事業者は、高速化を進めるために4Gネットワークの展開を加速しているとしている。加入数第4位の携帯電話事業者XLアクシアタは、2016年6月、計画を前倒しして、6月時点に58都市で4Gでのインターネット接続を実現しており、年内に100都市に拡大するとしている。XLアクシアタは、また、加入数第2位のIndosat Ooredooとセルラー塔の共有を進めて、インフラ整備を加速化する方針も公表している。XLアクシアタが攻勢に出ているのは、近年、市場シェアを落としているという、お家の事情にもよるとみられる。
2014年に国内で最初に4Gをサービスインさせた加入数第1位のTelkomselは、4月時点で4,500の基地局を整備して、100都市での提供を実現し、このネットワークで約500万の加入者を収容していると発表している。計画では今年度中の4G加入数を1,200万にする予定である。