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2016.02

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インド当局、フェイスブックの無料インターネットサービスを禁止へ

フェイスブックは、インドで地元の携帯電話事業者リライアンス・コミュニケーションズと提携し、一部のコンテンツをデータ通信料無料でユーザに提供するインターネットサービス「Free Basics」を提供していたが、インドの電気通信規制局(TRAI)は、2016年2月8日、このような「ゼロ・レーティング」サービスを禁じる規則を制定した。

TRAIは「ネット中立性原則に従い、コンテンツの料金格差は消費者の利益にならず、インターネットの成長にも貢献しないと判断した」と説明した。TRAIの今回の決定についてフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、一部のウェブ・サービスを無料で提供することは、インターネットの普及を推進するもので、同社もネット中立性は支持しているとコメントした。

Free Basicsは、発展途上国のインターネット普及促進を目指してフェイスブックが中心となって発足した「internet.org」プログラムの1つで、現在30カ国以上で展開。フェイスブックは各国の携帯電話事業者と提携し、Bing、ウィキペディア、ESPN、フェイスブックといった基本的なインターネットサービスを無料で提供している。

インドやインドネシア、アフリカと南米の一部でFree Basicsは提供開始されているが、特定ウェブサイトのみに無料アクセスを認めることはネット中立性の精神に反するとの批判を受けている。インドでは、このような批判を受け、旅行サイトのCleartrip.com、ニュース・チャンネルのNDTV、モバイルアプリのNewshunt等が、Free Basicsへのコンテンツ提供を中止している。インド当局も2015年3月、電気通信事業者が消費者の利用するウェブサイトやモバイルアプリによって異なる料金を請求できるようにすべきか否かについてパブリックコメントを実施し、同年12月末には、電気通信各社がプログラムの参加条件について詳細な情報を提出するまではFree Basicsを停止するよう命令していた。

フェイスブックはこれに対して、同サービスの合法性を主張する広告キャンペーンを展開し、支持者に行政当局へ意見を申し入れるよう奨励していたが、規制当局はこれを世論操作と非難。インドの新興事業者やネット中立性支持者も反発を強めていた。