2016年2月4日、国際的なメディア企業リバティ・グローバルが保有するケーブル事業者Telenetによる移動体通信事業者BASEの買収計画が欧州委員会によって承認された。BASEはオランダの通信大手KPNの子会社で、ベルギーの移動体通信市場における3事業者の一角を占めている。
欧州委員会はTelenetによるBASEの買収について、Telenetはベルギーの移動体通信市場で最大規模のMVNO事業を展開しており、BASEの買収により競争環境が悪化し、サービス料金の値上げ、選択肢の減少、イノベーションの鈍化につながる可能性があるとして2015年10月より調査を実施してきた。
欧州委員会の懸念に対してリバティ・グローバルは、BASEが展開するMVNOの株式を放送事業者Medialaanに売却する、BASEがJIM Mobileのブランドで展開するモバイルサービスの顧客基盤をMedialaanへ移管する、MedialaanによるBASEのネットワークの優先的な使用を許可する、といった提案を行った。こうした提案を受け、欧州委員会はTelenetによるBASEの買収は移動体通信市場の競争を阻害しないと判断し、買収案件を承認した。
なお欧州委員会は、TelenetによるBASEの買収が固定とモバイルサービスのバンドル市場や、MVNO向けの卸売アクセス市場にも悪影響を及ぼす可能性があるとして調査を実施したが、いずれについても競争を阻害する可能性はないと判断を下した。