仏電子通信・郵便規制機関(ARCEP)は2015年7月9日、700MHz帯(703-733MHz/758-788MHz)のデジタル放送からモバイル・ブロードバンドへの移行計画に従い、同帯域の周波数利用許可(20年間)のオークション参加の受付を開始した。
オークションの対象帯域は2×5MHzずつ6ブロックに分けられ、1事業者が応札できるブロックは3ブロックまでであった。また既に800MHz及び900MHz帯の周波数利用許可を得ている事業者は、700MHz+800MHz+900MHzで2×30MHz以上の帯域を利用することはできないとされた。
各ブロックへの応札で、1ブロックの最低価格は4億1,600万ユーロに設定された。各事業者の希望ブロックが6件を上回った場合、ARCEPは段階的に価格を引き上げて応札者が希望件数を減らすのを待ち、希望件数が6件になった時点での最高額を落札額とするとしている。落札金額の支払については、落札時に4分の1、残りは1年ごとにまた4分の1と、4回の分割払とされている。また、各事業者は周波数管理料として、年ごとに前年の売上高の1%を徴収される。
ARCEPはまた、6ブロックの落札者が決定した時点で、改めてブロックの選択に関する補助的な入札を実施、高い金額を提示した事業者から順番に希望のブロックの利用許可を取得できるとした。
このオークションには仏移動体通信市場の4ネットワーク事業者(オレンジ、SFR(注)、Bouygues Telecom、フリー・モバイル)が参加、11月の開札で、オレンジとフリー・モバイルが2ブロック、SFRとBouygues Telecomが1ブロックを落札、12月9日に利用許可が付与された。
表 各事業者の落札帯域及び金額
(単位:ユーロ)
事業者名 |
帯域 |
落札金額 |
SFR |
703-708MHz/758-763MHz |
466,000,000 |
オレンジ |
708-718MHz/763-773MHz |
933,078,323 |
Bouygues Telecom |
718-723MHz/773-778MHz |
467,164,000 |
フリー・モバイル |
723-733MHz/778-788MHz |
932,734,001 |
出所:ARCEP
落札者の主なカバレッジ達成義務は以下のとおりである。
- 全国:2027年1月 人口の98%、2030年末 人口の99.6%
- 道路:2030年末 100%
- 指定ルーラル地域 2022年末 人口の50%、2027年1月 人口の92%、2030年末 人口の97.7%
- 鉄道路線:2022年1月 60% 2027年1月 80%、 2030年末 90%
(注)2014年にケーブル事業者のNumericableと合併して社名はNumericable-SFRとなったが、携帯サービスのブランド名はSFRを維持している。