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2016.11

  • フランス
  • 電波関連
低出力IoT向けに新たに900MHz帯を配分する方針

フランスの電子通信・郵便規制機関(Autorité de Régulation des Communications Électroniques et des Postes: ARCEP)と全国周波数庁(L'Agence nationale des fréquences: ANFR)は、IoTの需要拡大に備えるため、国防省に割り当てられている862-870MHz、870-876MHz、及び915-921MHzを開放し、低出力機器が利用できるようにするため、技術的かつ規制上の諸条件について検討するための公開諮問を開催した(2016年6月3日~7月18日)(注1)。公開諮問の結果の概要は2016年10月19日に発表され(注2)、利用技術としてはLPWAN(Sigfox、LoRaWAN、Qowisio等)やWi-Fi HaLow(802.11ah)が、また、利用シーンとしては、新スマートシティ(水道・ガスメーター、駐車場、街灯等)、ホームオートメーション(警報装置、煙探知機等)、ヘルスケア等が提案されている。

今後、ANFRは、ARCEPと協力し、これらの帯域の欧州域内における周波数の共通化(ハーモナイゼーション)に向けて、欧州郵便電気通信主管庁会議(European Conference of Postal and Telecommunications Administrations: CEPT)における周波数管理作業グループの標準化会合において、フランスの立場を強調していく方針である(図参照)。また、ANFRは、2017年3月に採択される予定のSRD(Short Range Devices)向けの周波数の共通化に関する欧州委員会決定(EC Decision)を見据え、国防省とARCEPと協議して、これらの3つの帯域を低出力機器向けに配分するために、国家周波数分配表の改定提案の首相への提出に向けて準備する予定である。

図 欧州と日本における900MHz帯のRFID等向けの周波数配分の状況
注:欧州では既に863-870MHzがRFID/SRD向けに配分されているが、新たに870-875.6MHzと915-921MHzをSRD/TTDAとRFIDに配分することが検討されている。
略語:RFID: Radio Frequency Identification、TTDA: Tracking, Tracing and Data Acquisition、GSM-R: Global System for Mobile communications – Railway、MCA: Multi-Channel Access radio system
出所:各種資料をもとに作成

LPWANの無線システムを手掛けるSigfoxは、世界約30か国で事業展開しているフランスのスタートアップ企業であることから、フランス政府としてもこうした企業の海外展開を後押しするねらいがあると見られる。

(注1)862-870MHz、870-876MHz、915-921MHz帯の新たな利用機会(「Nouvelles opportunités pour l’utilisation des bandes 862 - 870 MHz, 870 - 876 MHz et 915 - 921 MHz」)に関する公開諮問

(注2)http://arcep.fr/fileadmin/uploads/tx_gspublication/synth-consultation-arcep-anfr-19102016.pdf