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2018.02

  • フランス
  • 電波関連
移動通信事業4社、ルーラル地域のブロードバンド普及の加速化で政府と合意

2018年1月、移動通信事業4社(オレンジ、SFR、ブイグ・テレコム、フリーモバイル)は、無線ブロードバンドの普及を加速し、2020年までにフランス全土において高品質の無線ブロードバンド網を構築することで、フランス政府と合意した。マクロン仏大統領は、2017年7月に、全ての国民が高速インターネット(8Mbps)へのアクセスを保証し、また2022年までに国内全土での超高速ネットワーク(30Mbps)へアクセスできるようにする目標を明らかにしており、今回の合意は、同方針の一環として、政府、地方自治体、通信事業者が協議を進め、合意に至ったものである。

通信事業者の実施事項は、ARCEPなどが発表した文書「フランス全土への高品質モバイルカバレッジの実現に関する事業者義務の記載」(Description des engagements des opérateurs sur la généralisation d'une couverture mobile de qualité pour l'ensemble des Français)にまとめられている。同文書において挙げられている移動通信事業者の実施事項は以下の通りであり、通信事業者の投資額は、約30億ユーロと見積もられている。

  • 2020年までに4Gサービスの未提供地域を解消する。このために、各社5,000基の基地局を設置し、必要に応じて、RAN(Radio Access Network)型の設備共有を図る(*)。
    • * 全ての基地局設備を対象とした設備共有。基地局の共有には、ほかに敷地だけの共有、アンテナや鉄塔だけの共有がある。
  • 2020年までに、道路・鉄道の主要交通網55,000kmを4G網でカバーする。地方政府所在地を結ぶ高速道路(11,000km)及び1日当たり5,000台以上の車両交通がある道路(44,000km)を対象とする。
  • 2020年までに、既存の2G/3G網を4G網にアップグレードする。例外措置として、音声、SMS、3Gのサービス普及が遅れているルーラル地域のカバレッジを改善する「空白町村地区」(zones blanches - centres-bourgs)プログラムの対象地域については、2020年までに75%、2022年までに100%を達成する。
  • 2018年に、Wi-Fiを使った屋内通話機能を提供できるようにする。フリーモバイルは2019年末までにこれを実現する。
  • 既存の固定通信網で提供できるデータ通信の速度が8Mbps以下の地域においては、2018年に4Gによる固定無線ブロードバンド・サービスを提供する。

これらの事項は、2018年に各事業者の既存免許に書き加えられる。また、ARCEPは、これらの進捗状況の情報公開を進めるとしており、人口密度の低いルーラル地域におけるモバイルカバレッジの状況の四半期報告を公表するほか、ウェブサイト「monreseaumobile.fr.」などにおいてカバレッジのマップ情報を公開するとしている。