パリを本拠とするWi-Fi接続事業者Travel Wi-Fiは、仏通信市場シェア3位のBouygues Telecomと提携し、旅行者向け高速Wi-Fi接続サービス(有料)を開始した。
サービスの利用方法は、利用前にオンラインで注文と支払を済ませ、指定の空港、ホテル、郵便局でポケット型のワイヤレスモデム(Personal Hotspot)受け取りと返却を行うというものである。Wi-Fi接続機能を持つ端末を用いれば、任意の場所でBouygues Telecomの3G/LTE網へのWi-Fi接続が可能になる。料金は利用期間により、1日あたり6ユーロ(30日以上)~15ユーロ(2日間)。データローミングについては、10MB/10EURの従量制である。バッテリーは1回の充電で6時間程度持続し、利用期間中は何度でも充電できる。このモデムとサービス地域はほぼ全国の都市とされている。
仏政府の2014年11月の報告では、フランスはWi-Fi接続の整備状況では世界をリードしており、国内のWi-Fiスポット数は約1,300万である。そのほとんどは通信キャリアがカフェ、ホテル、商店等との提携により運用しているもので、90%以上の自治体をカバーしている。これらのスポットへの接続は、非加入者であっても事業者のサービスポータルからの対応アプリケーションのダウンロード(無料)により可能であるが、利用の際には、従量制のパスを購入する必要があり、最大手のオレンジの場合、料金は接続時間30分で1.5ユーロである。特定の事業者とのかかわりなしに無料接続を実施している店舗はあり、マクドナルドやスターバックス等、米国系の飲食チェーンでは、ほぼ無料での利用が可能とされている。
一方で、2014年初頭には、パリをはじめとする国内の大都市の多くが、デジタル環境整備計画の一環として住民向けの無料サービスを実施しており、非居住者でも利用可能である。この場合、アクセスポイントは市庁を中心とした公共施設である。