欧州委員会は、1月26日、オレンジ・スペインのJazztel買収に関する調査を同組織で継続すると発表した。スペインの国家市場競争委員会(CNMC)は、EU企業合併規則に基づき、同買収の審査のすべてもしくは一部をCNMCに移送することを求めていた。欧州委員会はこの申請を検討し、CNMCではなく、同委員会が継続して審査することが適切であると判断した。欧州委員会は、2015年4月30日までに、この買収が欧州経済領域(EEA)における競争を疎外しているかについて、最終的な判断を行う必要がある。
スペイン市場において、オレンジはモバイル網と固定網を運営しているが、Jazztelは固定網のみを運営し、モバイル・サービスはオレンジのネットワーク上で提供している。オレンジによるJazztelの買収により、スペインで全国向けサービスを提供する事業者の数は、4社から3社に減ることになる。オレンジ、Jazztelはどちらも支配的事業者規制の対象ではなく、サービス料金にプライス・キャップは設けられていない。欧州委員会は、合併により、固定インターネット・アクセス・サービスと、固定・移動のマルチ・プレイ・サービスの市場競争圧力が減れば、スペインでのサービス料金が上昇するのではないかと懸念している。