[HTML]
H1

詳細ページ

お知らせ表示

2016.01

  • EU
  • スマート社会
欧州委員会、国境を越えたデジタル・コンテンツ利用と電子商取引の促進を目的とする法案を公表

2015年5月、欧州委員会は「デジタル単一市場戦略」を公表した。同戦略は、欧州域内の電気通信市場統合に向けた具体的な計画を盛り込んだものであり、三つの柱とそれぞれに連なる16のイニシアティブで構成されている。そのうち、国境を越えたデジタル・コンテンツのアクセス改善と電子商取引の促進を目的とする法案を、2015年12月9日に欧州委員会が公表した。

一つは、国境を越えたデジタル・コンテンツへのアクセス改善を目的とする法案(オンラインのコンテンツおよびサービスの国境を越えたポータビリティに関する規則)で、著作権の改正により、消費者は自らが購入した音楽、電子書籍、映像、ゲームサービスなどのデジタル・コンテンツを居住国以外のEU域内の国でも利用できるようになる。同案は「規則(Regulation)」であり、欧州議会および欧州連合理事会の承認により、国内法の改正を伴うことなく即座にEU法として発効する。欧州委員会は2017年の発効を見込んでいる。

もう一つは、国境を越えた電子商取引を促進するために契約ルールの簡素化を図るものであり、ストリーミング音楽のようなデジタル・コンテンツの販売に関する指令案と、商品のオンライン販売に関する指令案の2法案が公表された。いずれの法案も国境を越えた電子商取引の推進を狙いとしており、同案の発効により、EU域内の各国で別々の消費者契約に関する規則が適用されるといった事態は解消され、デジタル・コンテンツや商品のオンライン販売に際して同一の法律が適用される。欧州委員会は、法律の発効により事業コストの削減が図られ企業にも利益がもたらされると見込んでいる。