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2016.10

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欧州委員会、ローミング料金のフェアユース制度をめぐる方針で苦慮

2016年9月5日、欧州委員会は2017年6月に実施を予定している域内ローミング料金の撤廃に対応する実施法令案を提出した。欧州委員会はローミング料金の撤廃に伴う諸問題について検討を重ねており、特にローミングサービスの乱用を防止するためのフェアユース(公正利用)制度の導入を大きな課題と位置づけてきた。

欧州委員会はこれまで実施してきたパブリック・コンサルテーションの結果などを参考としながら、ローミングサービスの利用について、年間90日間までは自国における利用と同額料金が適用され、仮に年間90日を超えた場合には、卸売ローミング料金の上限(通話は1分0.04ユーロ、SMSは1件0.01ユーロ、データ通信は1MBあたり0.0085ユーロ)を超えない範囲での料金の上乗せが移動体通信事業者に認められるという案を提示した。

しかし、9月21日、欧州委員会でデジタル単一市場部門を担当するアンシプ副委員長は先の提案を撤回し、ローミングサービスの乱用や料金の上乗せに関する対応は各事業者に任せるという案を示した。

ローミングサービスの乱用に関しては、加入者のローミング利用が居住国のトラフィックを超えているか、長期間アクティブではなかったSIMカードがローミングに使用されているか、ローミング用途で複数のSIMを契約しているか、といった観点から事業者が判断するという案が示された。また超過料金については、以前の提案と同様に卸売ローミング料金の上限を超えない範囲とし、事業者は過剰利用が認められた加入者に対してその旨を通知したうえで、加入者が過剰利用を認めた場合に超過料金が適用されるという案も示された。なお、加入者は事業者が課す超過料金に対して不服を申し立てることが可能で、最終的には国内の規制機関に判断をあおぐことができる。