ブラジルで2014年9月30日に終了した700MHz帯オークションは、落札総額が58億5,000万BRLと、ブラジル政府が当初見積もっていた77億BRLよりも35%も下回る結果となった。落札事業者は以下の4社で、ブラジル第4位の事業者であるOiは、オークションへ参加しないことを既に表明していた。
ブラジルの700MHz帯オークションでの落札事業者
事業者 |
ロット番号 |
周波数帯 |
落札額 |
Claro |
1 |
738 - 748MHz/793 - 803MHz |
R$ 1,947.2 million |
Tim Celular |
2 |
718 - 728MHz/773 - 783MHz |
R$ 1,947 million |
Telefonica |
3 |
728 - 738MHz/783 - 793MHz |
R$ 1,928 million |
Algar |
5 |
708 - 718MHz/763 - 773MHz |
R$ 29.6 million |
出所:Anatel
オークションにかけられたロット数は合計6つであったが、そのうちの2つのロット(ロット4及び6)が売れ残った。ロット1~3は全国免許、ロット4はロット5と6を除いた全国免許、ロット5はブラジル南部の4州にまたがる87の自治体を含む地域免許、ロット6はパラナ州(Paraná: PR)の二つのの自治体(Londrina及びTamarana)を含む地域免許となっている。
ブラジルの700MHz帯オークションの各ロットの内訳
ブラジルの700MHz帯のバンドプランは、APT 700のバンドプランを部分的に変更したもので、2×10MHz単位の周波数ブロックとなっている。なお、700MHz低帯域の2×5MHz(703-708MHz/758-763MHz)は、公共安全(PPDR:Public Protection and Disaster Relief)向けに既に割り当てられている。
700MHz帯の落札者は、地上デジタルTV放送(DTT)との間の有害な干渉の軽減措置に係る費用に加えて、TVチャンネルの再編に係る費用も負担しなければならない。これらの費用は、全国免許事業者の場合が9億300万BRL、地域免許事業者の場合が2,950万BRLとなっている。また、ブラジル通信規制機関Anatelによると、ロット4とロット6の落札者が負担するはずであった費用、8億8,900万BRLを負担する用意があると述べている。
700MHz帯オークションは、当初、2014年春に実施される予定であったが、同年9月まで延期された経緯がある。その理由は、ブラジル国家会計当局のTUCが、干渉軽減措置や最低落札価格などの一連問題に対する適切な説明がAnatelからなされるまで、オークション手続きに入ることを禁じていたためであった。最終的に、2014年8月末にAnatelからの説明を受けて、TUCは2014年9月末のオークション実施を認めた。