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2017.12

  • アメリカ
  • 放送・メディア
FCC、地上波放送所有規制を緩和

FCCは11月16日、地上波放送所有規制の一部を廃止・改正することを決定した。

今回採択された命令は、新聞と地上波放送及びラジオとTVのクロス所有規制を廃止するもので、1社が同地区内で2局を所有した場合に独立局の数が8局に満たなくなる地区でも1社の2局所有を認める。また、地区内トップ4局の2局を同時所有することもケース・バイ・ケースで判断する。さらに、共同販売合意(JSA)を結んでいる場合に相手の地上波局を所有しているとみなす規制も廃止する他、インキュベーター・プログラムを創設することも決定された。一方、JSAをFCCに通知する義務や、2つのネットワーク所有の禁止に関してはこれまでどおり維持され、ローカル・ラジオ局に対する規則も変更しない。

なお、アジト・パイFCC委員長は4月25日に開催されたNABショーで基調講演を行い、その中で地上波放送規制の緩和を推進していく方針を発表していたが、同講演のわずか2週間後に放送大手のシンクレアがトリビューンをおよそ39億ドルで買収することで合意したことを明らかにした。シンクレアは中小規模の国内地区で既に173の地上波TV局を所有しており、トリビューンが持つ42局を加えると、ニューヨークやロサンゼルス、シカゴを含むほぼすべての大都市でTV局を所有することになる。

今回の採択のための投票では、上下院の民主党議員が反対派に回り、FCC監察長官が今回のFCCの行動がシンクレアとトリビューンの合併を利するものでないかを調査し終えるまで投票を保留するようパイ委員長に要請する上院議員も複数いたが、パイ委員長はこれを退けた。

今回の規制緩和によって、シンクレアはトリビューンとの合併の際に手放さなくてはならない放送局が少なくなる可能性がある。