連邦航空局(FAA)は、2月15日、商用ドローンの運用規則案を発表した。今後、60日間のパブリックコメント募集を経て、1~2年後に正式に採択される見込み。
ドローンメーカーは当初、運用規則に正式なパイロット免許の取得や時間のかかる許認可手続きが義務付けられるのではと憂慮していたが、実際の規則案はかなりシンプルな条件を課すのみとなった。
<FAAによるドローンの商業利用に関する規則案>
- 重さ25キロ(55ポンド)以下
- 高度150メートル(500フィート)以下
- 時速160キロ(100マイル)以下
- 操縦者(17歳以上)は2年ごとに筆記試験に合格し、証明書を取得
- 飛行は日中に限られ、夜間の飛行は禁止
- 操縦士が視認できる範囲に限られる
- 関係者以外の人間の頭上の飛行を禁止
- 空港の周辺や一般の航空路に近づくことを禁止
FAAは、2キロ以下のマイクロドローンの商業利用については、これとは別に条件の緩い規則を定める可能性も検討している。
人の上を飛行させたり、操縦者の視界外での飛行を禁止したことから、ドローン推進派は、米国がドローンの商業利用で他国から後れを取ることを懸念。オーストラリア、カナダ、イギリスでは既にドローンの規制緩和に着手しており、EUも2015年に法改正し、ドローンの商用利用の道を開くことを決定した。また、ドローン配送システムを開発しているアマゾンは、2015年の国内での実用化が困難になったことから、英国のケンブリッジなど海外に研究開発拠点を拡大する可能性を示唆した。
これに対し、FAAマイケル・フエルタ長官は、25キロ以下の無人飛行機運用規則としては世界で最も柔軟な枠組を与えるものだと述べた。
オバマ大統領は同日、商務省に対して、プライバシー、説明責任、透明性に関する民間及び商用ドローン向けガイドラインを策定するよう要請。3月4日に、国家電気通信情報庁(NTIA)は、商業ドローンのプライバシー保護に関するベストプラクティスを策定するためのマルチステークホルダー手続きについてコメントを募集した。
NTIAによると、第1回目のステークホルダー会議は90日以内に開かれる予定。今回のコメント募集では、マルチステークホルダー手続きの構造や、検討すべき問題について意見を募る。