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2015.10

  • アメリカ
  • スマート社会
「シェアリング・エコノミー」に関する議論が活発化

ラミレスFTC委員長は、10月2日に開催されたフォーダム大学法学部主催の反トラスト問題カンファレンスで基調講演を行い、UberやAirbnbなどに代表される「シェアリング・エコノミー」(米国では「オンデマンド経済」とも呼ばれている)企業に対しては、一定の規制が消費者保護のために必要かもしれないとの見解を示した。

同委員長は、「規制は、この新たなビジネスモデルの発展を妨げないように慎重に検討し、適切な消費者保護とのバランスを取らねばならない」と語った。また、シェアリング・エコノミーの台頭は、宿泊、輸送といった業界の既存企業を不利な立場に置かず、新たな企業もどう成長させていくか、という公共政策面での複雑な難問を生み出しているとした上で、規制が勝者と敗者を決めることは望ましくないと述べた。

FTCは、今年6月に初めてシェアリング・エコノミーに関するワークショップを開催しており、この時に寄せられた数千件に及ぶコメントを吟味している最中で、シェアリング・エコノミーに関するガイドラインを策定すべきかどうか、まだ結論はでていない。

一方、9月29日には、下院エネルギー・商業委員会の商業・製造・貿易小委員会が「シェアリング・エコノミー」の経済と雇用への影響についての公聴会を開催。複数の連邦議員から規制強化が雇用創出を阻害しかねないとの懸念が示された。

小委員会委員長を務める共和党のマイケル・バージェス議員は「安全が問題となる場面では政府による限定された監督は必要だが、現状ではシェアリング企業には他の企業と同じく連邦、州がつぎはぎした規制が課されている」と述べ、新たな規制を考えるより現行の規制が雇用に悪影響を与えていることを考えるべきと述べた。

エネルギー・商業委員会委員長を務める共和党のフレッド・アップトン議員は、「発展中の市場については場当たり的な規制がイノベーションを阻害する危険を認識しなければならない」とし、規制を急いで雇用創出を阻む危険を冒すべきではないと述べた。

民主党幹部のジャン・シャコウスキー議員は、シェアリング企業がもたらすものは必ずしも肯定的なものとは限らないとし、労働者が下請業者扱いされ、従業員と同等の手当・給与が得られていないシェアリング・エコノミーの現状に疑問を呈した。