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2017.12

  • アメリカ
  • スマート社会
ドローン業界、規制緩和を議会に訴え

ドローン業界関係者や利用推進派は11月29日の下院運輸・インフラ小委員会公聴会で、ドローン活用促進のため、規制緩和を訴えた。

農作物の監視、火災の消火活動支援、インフラ点検、災害被災地の救助・復興活動支援など、様々な分野で利用が拡大するドローンだが、米国連邦航空局(FAA)が、2016年6月に小型ドローン(55ポンド未満)の商業利用規則を策定してからも多くの規制が残っている。

米国の現行規則では、ドローンが群衆の上空や夜間、操縦者の視界外で飛行することを禁止している。FAAに免除を申請することは可能だが、業界関係者は、免除の認可に時間がかかり過ぎていると批判。人口が密集していない場所では操縦者の視界外での飛行を認めるべきとし、規制緩和が進まなければドローン活用で米国は他国に遅れを取ると警告している。

業界関係者の中には、規制免除にかかる時間の短縮は歓迎するが、理想的なのはFAAが現行規制を緩和する新たな規則を策定することだと指摘。

FAAは、2017年前半に群衆の上空をドローンが飛行することを認める新規則を策定することになっていたが、安全の懸念から審議は遅延しており、この公聴会でも、FAAはいつ策定できるかは未定と述べている。

尚、運輸省とFAAは、ドローンが操縦者の視界外や夜間、群衆の上空でも飛行できるテスト区域「イノベーション・ゾーン」を特定の州・自治体内に設置することを提案。現在、この「無人航空機システムの統合パイロットプログラム」への参加を募集しており、既に1,823件の参加申し込みがあったという。

このパイロットプログラムは、農業、商業、緊急事態管理、人的輸送等に有用と考えられるドローン活用案を米国内でテストすることを認めるもの。FAAは、最低でも5件の案を最長で3年間という条件で採用する予定だ。

他方で、移動通信業界団体CTIAは11月11日、「Commercial Wireless Networks」と題する白書を発表。その中で、FAAは商用ドローンの管制通信に対し、商用移動通信ネットワークを使用するべきと提案している。

FAAは、商用ドローンが多くの場面で利用されていくため、その通信には商用免許帯、免許不要帯または専用帯域のいずれの周波数帯が適しているかを判断し、どのような規則を適用するかを2018年初めに決定する予定。

今回のCTIAの白書は、それに先立ち、商用移動通信ネットワークが可用性、信頼性、セキュリティ面からその通信に最適であると主張している。

CTIAの白書では、ドローンが2025年には800億ドルの経済的効果を与え、10万人の雇用を創出すると予想。また、FAAが小型ドローンの管制に移動通信ネットワークの利用を推奨することで、そのための周波数の利用が加速し、5Gネットワークの構築も促進されるだろうとしている。