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2016.03

  • アメリカ
  • ブロードバンド・ICT基盤整備
FCC、低所得層向けブロードバンド補助金プログラムを採択へ

FCCは3月8日、低所得層向け電話料金補助プログラム「Lifeline」の改革案を発表。補助対象を有線または無線ブロードバンド接続に拡大し、月当たり9.25ドルの補助金を交付する。改革案は3月31日のFCC会合で採決にかけられ、承認される予定だ。

トム・ウィーラーFCC委員長によると、年収15万ドル以上の世帯では95%超がブロードバンド・サービスに加入しているのに対して、年収2万5,000ドル未満の世帯のブロードバンド普及率は48%だという。また、米国民の約5人に1人はオンライン上で作り出される機会の恩恵を請けられていない。高額な利用料が低所得世帯におけるブロードバンド加入の最大の障害となっていると指摘した。

「Lifeline」プログラムは、1985年に低所得世帯の固定電話サービス利用を援助するために創設されたもので、2008年には携帯電話サービスを補助対象に拡大されているが、長年にわたる浪費に対する批判や効率性についての疑問も多く寄せられている。

今回の「Lifeline」改革案では、補助金上限額を年22億ドル5,000万ドルに設定。これまで通信事業者が行っていた受給資格審査を第三者機関に任せ、同プログラムに関する登録者数などのデータも公表するなど浪費・詐欺を防止するための対策も盛り込まれている。

一方、オバマ大統領は9日、この改革案を支持する勧告をFCCに提出しており、「社会がインターネットに依存する割合は増えており、低所得層がインターネットを利用できない状況では貧富の格差が拡大するばかり」と指摘した。

今回の勧告は、2020年までにブロードバンド加入者を2,000万人追加することを目標とする「ConnectALL」イニシアチブに沿ったもので、補助対象をインターネットに拡大する、加入資格を審査する第三者機関を創設する等、FCCの策定した改革案とほぼ内容を一にしている。大きな相違としては、FCCにブロードバンド・サービスの最低条件を課すことを考え直すよう求めている点である。

FCCは下り10Mbps/上り1Mbpsを補助金が受給できるサービスの最低条件としており、モバイル・データ通信プランにも基本的な基準を設けているが、ISPはこのような最低条件を課されるとプログラムに参加しにくくなるとしており、オバマ大統領もこれに同意。ISPが参加を躊躇すればルーラル地域などで情報格差が広がるとし、FCCに慎重な対応を求めている。