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2015.08

  • アメリカ
  • 事業者のM&A・国際展開
AT&T、衛星放送事業者のディレクTV買収を完了、新サービスを発表

大手通信事業者のAT&Tは、2014年5月に、衛星放送事業者のディレクTVの買収を発表していた。この買収について、規制当局の連邦通信委員会(FCC)の審査結果が注目されていたところ、2015年7月24日に、FCCは、AT&TのディレクTV買収を条件付きで承認すると発表した。これを受け、AT&Tは、同日付で、ディレク買収の手続きを完了した。合併後の有料TVサービス加入者は2,600万以上となり、最大手のケーブル事業者であるコムキャストを抜いて業界トップとなる新会社が生まれることになった。

メディア業界では、この他にも大規模な合併計画が複数発表されており、チャーターはタイムワーナー・ケーブル(TWC)、ブライトハウス・ネットワークの買収を発表している。欧州のケーブル事業者Alticeは、サドンリンクの経営権買収を提案しており、業際再編が進展することが見込まれている。

FCCは、買収を認可するにあたり、AT&Tに光ファイバ・ベースのブロードバンドサービスを1,250万世帯、及び、一定の条件を満たす学校・図書館に拡大することや、低所得層への割引価格でのブロードバンドサービス提供を義務付けた。また、AT&Tが他のオンライン動画サービス事業者を自社ネットワークのデータ上限設定において不利に取り扱う差別的な行為に従事することを禁止した。また、AT&Tは、ネットワーク相互接続協定についてもFCCに報告することや、これら条件が遵守されているかどうかを確認するため、内部コンプライアンス責任者と独立の外部コンプライアンス責任者を置くことが義務付けられた。これらの条件は、合併完了から4年間有効となる。

その後、ディレクTV買収の行政承認を取得したAT&Tは、2015年8月から携帯電話サービスと衛星放送サービス、U-verseインターネット/TVサービスを1つにまとめる「All in One」バンドルを提供開始している。なお、このバンドルを利用できるのはディレクTV、U-verseの新規加入者のみである。一方、ディレクTV新規加入者は、「DirectTV TV Everywhere」アプリを使って、自宅にサービスが導入される前から携帯端末で番組を視聴することができる。