オバマ政権では、ブロードバンドの高速化を図っているなか、規制当局の連邦通信委員会(FCC)は、2015年12月30日に発表した報告で、米国インターネットの平均下り速度が、2011年3月から2014年9月までの3年半の間に約10Mbpsから31Mbpsにまで向上したことを明らかにした。
この速度向上はネット動画視聴やオンラインゲームの普及でより高速な通信が求められるようになったことが背景にあると見られる。
米国内ではグーグルが9都市で1000Mbpsのサービスを提供。AT&Tも同様の速度を20都市で提供しており、2016年にはさらに36都市を追加する予定となっている。また、コムキャストはフィラデルフィアで1000Mbpsサービスをテストしており、2016年内には提供地区を拡大すると発表している。
FCCの報告によると米国インターネット・トラフィックの60%以上は動画が占めており、この割合は2019年には80%に増える可能性もある。
しかし、2013年の世界的な通信速度順位では米国は39ヵ国中25位にとどまっている。
大手ISP別の平均通信速度はケーブルビジョンが60Mbpsでトップ。ベライゾン、チャーターがそれぞれ50Mbps前後でこれに続き、以下コックス (40Mbps)、コムキャスト (35Mbps) となっている。
州別ではニュージャージーの下り速度が平均57Mbpsで国内トップ。最低はアイダホで14Mbpsだった。
FCCは5,000以上のボランティア世帯に機器を設置し、インターネット通信速度を計測しているが、現在の下り速度は2011年よりも宣伝広告されている数値に近くなっているという。