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2016.01

  • アメリカ
  • ソーシャル・サービス
オンデマンド経済、2016年は様々な課題に直面

2015年はオンデマンド経済が行政機関や立法府、大統領候補等の関心を集めたが、2016年は同分野への注目がさらに高まると予想される。UberやAirbnbをはじめとするオンデマンド経済事業者は、既存サービスとの摩擦も激しく、2016年は新たな課題にも直面すると考えられている。

その1つが集団訴訟。Uberなどは労働力を独立契約者に頼っているが、これが十分に労働者の権利を保護していないとして提訴されるケースが増えつつある。例えば、2015年9月、Uberのビジネスモデルに異議を申し立てていた運転手による訴訟を米連邦地方裁判所が集団訴訟に認定した。

連邦取引委員会(FTC)は、オンデマンド経済の台頭が消費者保護や市場競争に与える影響について報告(ガイドライン)を発表する予定で、率先してこの分野へ介入していくことが予想される。FTCのイーディス・ラミレス委員長は、この分野ではターゲットを絞った規制が必要かもしれないと語っており、FTCが示すガイドラインが特に厳しいものになる可能性は薄い。また、そのガイドラインは、法的拘束力は持たないが、これはオンデマンド経済に関わる企業に対して行政がどのような姿勢を求めているかを示すものにもなるであろう。

この他、オンデマンド経済は今年の大統領選で争点の1つとなる可能性が高い。既にヒラリー・クリントン、ジェブ・ブッシュといった民主・共和両党の有力候補各氏がオンデマンド経済について発言。共和党候補者は概ね、この分野は規制すべきではないとの立場で、民主党候補者はオンデマンド経済の効用を賞賛しながらも労働者の保護は改善すべきと主張している。

またオンデマンド経済と既存事業者の争いが州・地方自治体レベルで生じることも想定される。裁判所や州・地方レベルでは、従業員を契約者扱いするビジネスモデルに対して規制しようとする動きが急速に高まっている。