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2016.07

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米税務当局、フェイスブックを脱税の疑いで調査

米国税局(IRS)がフェイスブックを資産隠しの疑いで調査を開始。7月6日には、フェイスブックが2010年に資産をアイルランドへ移した当時の関連文書提出を求めて同社を連邦地裁に提訴した。

訴状によると、フェイスブックは2010年9月、米国・カナダ以外の「オンライン・プラットフォーム」「マーケティング関連無形資産」をアイルランドに移すことで子会社のフェイスブック・アイルランド・ホールディングスと合意。また、将来の開発費分担でも両社の間で合意が締結された。フェイスブックはその後、移管する資産の評価を会計事務所アーンスト&ヤングに依頼している。

このように、資産を各国に振り分けることは多国籍企業の節税対策としてよく見られるもので、特にテクノロジー企業では顕著。アイルランドの法人税率は12.5%と、米国の35%と比べるとかなり低い。しかし、フェイスブックの場合、アイルランド子会社からの収入を過小評価することで税金を逃れようとした疑いが持たれている。

IRSは、フェイスブックが情報提供請求に応じず、調査の期限が7月31日に迫っていることから、今回訴訟に踏み切った。また、同局は訴状の中で、これまでの調査でアーンスト&ヤングの資産評価方法に問題があったことが明らかになったとしている。

フェイスブックの広報担当者はIRSの調査に関し、「事業を展開する各国で、すべての法令を順守している」と反論している。

過度な節税手法を巡っては既に、フランスとスペインの検察当局がグーグルに対する強制捜査に着手したことも判っている。

◇グーグルを脱税容疑で家宅調査、スペインとフランス捜査当局
スペインの捜査当局は6月30日、脱税などの容疑で米グーグルのマドリッド支店を家宅捜索したと発表した。租税回避手法を使って法人税やVAT(付加価値税)の納付を不当に免れていたとしてグーグルを非難した。

グーグルは欧州事業の売上のほとんどを法人税率が12.5%と低いアイルランドで処理している。同社は声明で、「事業を展開しているすべての国と同様に、スペインの税法を遵守している」と述べている。

グーグルは今年5月、行き過ぎた節税策で課税を逃れたとして、フランス検察から家宅捜索を受けたばかりだった。フランス財務省は2014年3月、グーグルに対して約16億ユーロ(約2,000億円)の追徴課税を命じたが、同社はこれを拒否。財務省の訴えを受けて、検察が捜査を進めていた。

今年1月には、グーグルは英国歳入関税庁(HMRC)と2005年以降の法人税の滞納分として1億3,000万ポンド(約175億円)を追加で納税することで合意しており、また2016年以降も従来より高い税率で法人税を納める方針を明らかにした。

なお、6月21日には、EU加盟国が、租税回避手法を排除するための包括的な新法令について合意した。新法令は法的拘束力を有しており、昨年10月にOECDが採択した新たな国際ルール「税源浸食と利益移転(BEPS)」を土台にしている。