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2016.01

  • アメリカ
  • 次世代ICT
グーグルの自動運転車、過去14か月間で13件の「ニアミス」

グーグルが開発をすすめる自動運転車は性能が向上しているが、完全な自動運転はもう少し先になりそうだ。グーグルが2016年1月12日にカリフォルニア州車両管理局(DMV)に提出した報告によると、過去14か月間の公道でのテスト走行で、即座にドライバーのマニュアル操縦に切り替えねばならない危険を車載ソフトが検知した例は272件。このうちドライバーが操縦しなければ衝突が起きたと考えられるケースは13件あった。

このような自動操縦の解除が起きる頻度は、テストの進行に伴い低下しており、テスト開始直後の最初の3か月間では走行距離約1,260kmごとに発生していたが、最近では約8,560kmごとに減っているという。

グーグルは、ドライバーの操縦を必要としない完全自動運転車を作ることを目標としているが、今回の報告は、あらゆる場面で自動操縦に任せられる段階にはまだ至っていないことを示している。

カリフォルニア州の車両管理局(DMV)が昨年12月に発表した自動運転車に関する交通規則の草案では、自動運転車にも必要時に運転を代われるよう、運転免許保有者の搭乗が義務付けられる見込み。また自動運転車が交通違反を犯した場合は、運転手がその責任を負うことになる。

一方、自動車メーカーは、第三者機関による安全テストの実施や、自動運転車を一般販売ではなく、リースする形で提供することが義務付けられ、そのための許可を取得しなければならない。さらに発生した事故についての定期的な報告、ハッカー対策の策定、安全を確保する以外の目的で収集したデータの搭乗者への通知なども義務付けられる。

カリフォルニア州では、3年前に自動運転車が公道を走るための車両、性能、安全に関する規則を策定するようDMVに求める法律が施行された。DMVは、2015年9月にその一環として、自動運転車の公道テストを許可するための一連のガイドラインを発表している。

他方、運輸省のアンソニー・フォックス長官は1月14日の北米国際オートショーで、自動運転車の実用化に向けて10年間で40億ドル近くを投入する政府計画を説明した。

フォックス長官は、今後6か月の間に国家道路交通安全局(NHTSA)が他の省庁とともに自動運転車のテスト・分析手法を制定する方針であること、連邦レベルでのポリシーにもなり得る州ポリシー・モデルの作成で州運輸当局と協力していくことを明らかにした。

運輸省はこの過程で、自動運転車の到来に伴い新法が必要かどうかについても検討する。自動車メーカーは、完全な自動運転が可能な車両が2020年には公道を走れるようになると見通している。同省によると、2月9日発表される2017年度大統領予算教書では、自動運転車や他車との通信機能付車両のテスト・パイロットプログラムに今後10年間で39億ドル近くの予算が割り当てられる見込みだ。

◇ビッグデータが決める自動車保険料
保険業界では自動車保険料は1年の走行距離を基に算出されることが通例だったが、最近は技術の進化で実際の運転習慣を示すデータを収集できるようになっており、これらのデータを基に保険料を決める保険会社も増えている。

米国損害保険業界3位のリバティ・ミューチュアルは今年1月、スバルとの提携を発表し、2016年後半よりスバルの車載ネットワーク接続システム「Starlink」を利用するドライバーは急加速・急ブレーキといった危険運転について警告してくれるアプリを自分の自動車にダウンロードできるようになる。

このアプリはリバティ・ミューチュアルが自動車保険プラン「RightTrack」の一環として提供しているもので、同プランを選択した加入者は保険料が5%割引され、アプリの安全運転指示に従うとさらに最大30%の割引が適用される。

米国ではプログレッシブやオールステート、ステートファームといった他の保険会社も同様のプランを提供するようになっており、このような運転習慣をベースにした保険料の算出はうまく行けば安全運転を促すことにもつながると期待されている。