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2016.07

  • アメリカ
  • 次世代ICT
アップルとグーグル、プログラミング教育関連の取り組み強化

アップルは、毎年恒例の子供向けワークショップ「Apple Camp」で、ゲームの基本的なコーディングとロボットのプログラミングを学べるコースを今夏初めて開催する。

Apple Campは毎年7月と8月にアップル・ストアで行っている、同社製のハードウェアとソフトウェアを使った子供たちを対象にした無料ワークショップであるが、今年は、「iMovie」と「iBooks Author」の使い方を学ぶ既存のコースに加えて、ゲーム制作ソフト「Tynker」とボール型ロボット「Sphero」を使いゲーム感覚でコーディングやプログラミングを学ぶコースが新設された。

各ワークショップでは、90分間のセッションを3日間にわたって開催する。子供たちは、最初の2日間で各自のプロジェクトに取り組み、最終日には保護者らとともに、完成した作品を発表する。

アップルの子供向けサマーキャンプは、米国をはじめ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、中国などでも提供されているが、コーディングのコースは米国、カナダ、イギリス、中国でしか提供されない。

子供たちのコンピュータサイエンス教育に力を入れているアップルは、この発表の少し前には、コーディングの基礎を学びたい子供たち向けに「Swift Playgrounds」というiPad向けアプリを発表した。SwiftはiPhoneやiPad、Macなどで利用できるアプリを開発するためにアップルが作った新しいプログラミング言語で、プロフェッショナルなデベロッパはこのオープンソースの言語を使って、実際にアプリを作成している。Swift Playgroundsは、生徒やプログラミング初心者でも楽しく簡単にSwiftを学べるようにしている。

Apple Campは8歳から12歳向けの子供たちを対象にしたものであるのに対し、Swift Playgroundsは12歳以上の子供を対象としている。

◇グーグルの「Scratch Blocks」「Project Bloks」
グーグルは今年5月にMITのメディアラボと提携し、次世代の子供向けプログラミングブロックを開発すると発表した。教育用プログラミング言語として人気の高い「Scratch」に、グーグルのビジュアルプログラミング言語「Google Blockly」を統合した「Scratch Blocks」をリリース。AndroidやiOSなどのモバイル端末にも対応できるようにする。

また、グーグルは、プログラミング言語の概念を学習する「Scratch Blocks」に続き、実際に触れて学ぶプログラミング教育用ハードウェアプラットフォーム「Project Bloks」を発表した。

Scratch Blocksがパソコンとマウスを使ってウェブ上でプログラムを作るのに対し、Project Bloksは物理的なブロック(モジュール)を使い、それらを組み合わせてプログラムを作成し、実際にデバイスを動かすことができる。

具体的には、「Brain Board」「Base Board」「Puck」という3つの目的の異なるブロックで構成される。Brain BoardはCPUの役割を担い、Puckの命令を処理し、無線で接続したデバイスを動かす。Puckはダイヤルやスイッチ、ボタンなどの形をしており、オン/オフ、左/右に移動などの命令を発する。Base Boardは、Puckからの命令をセンサーで読み取り、Brain Boardに伝える役割を果たす。

このプロジェクトは、グーグルのクリエイティブラボ、デザイン企業のIDEO、スタンフォード大学などが共同で開発を進めている。ブロックのプロトタイプはIDEOが作成したが、グーグル自身がこれを製品化することはないという。同社は、ハードウェアプラットフォームをオープンソース化することで、教育者や研究者、玩具メーカーなどが自由に教材を開発できるようにしたいと考えている。

◇マイクロソフトの「Minecraft」
マイクロソフトも子供向けプログラミング教育に積極的に取り組んでいる。マイクロソフトは、2014年に25億ドルで買収したMinecraftへの投資を拡大している。同社は今年4月にプログラミング教育を検討している教育機関向けに「Minecraft:Education Edition」をリリースした。Minecraftは子供たちにゲームデザインやプログラミングなどの学習を促すツールで、現在世界40カ国以上、7,000以上の教室で使われている。