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2017.04

  • アメリカ
  • 次世代ICT
自動走行車の開発競争と企業間連携の動向

近年、自動走行の技術開発競争が激しくなる中、IT企業と自動車メーカー間での連携や企業買収が活発化している。例えば、マイクロソフトは、2017年3月に、同社が保有する一連の特許をトヨタにライセンス提供する契約を締結した。これは、自社の知的財産を活用してコネクテッドカー技術プロバイダの一角を占めようとする同社戦略の一環として行われたものとなっている。

マイクロソフトは、自社で提供するクラウド・コンピューティング・サービス「Azure」をコネクテッドカー・サービスの基盤にするよう自動車メーカーに働きかけており、今回の契約を発表するにあたってもAzureを用いたナビゲーション、予防的メンテナンス、エンタテインメント、音声認識機能にスポットライトを当てている。

その他、2017年4月には、ボッシュとメルセデスの自動走行車共同開発が発表されている。また、インテルによるモバイルアイ買収、BMWのインテル/モバイルアイ・システム採用などの動きがある。

完全な自動走行車の製造が開始されるのは、2020~2021年頃と予想されているが、広く利用されるようになるのは2030年以降と見られている。その開発には、人工知能(AI)、ロボティクス、コンピュータ/プログラミング、デジタル・ネットワークといった分野の専門家が必要とされるが、これらの分野の人材は自動車産業の外にいることが多い。

このため、自動車メーカー各社は人材獲得でもそれぞれの手段を講じており、ボッシュ/メルセデスの提携には人材を得るという面もある。また、GMのように、自動走行車技術を開発する新興企業を買収し、独自の技術開発を推進しているところもある。

ウェイモやデルファイは、自ら自動走行車技術の開発に投資しないことを選んだフィアット・クライスラーなどに自動走行車を実現する技術を提供。BMWも同様に、自社で開発した自動走行システムの他社への供給を計画しており、メーカーと部品供給会社が今後、競争相手になる可能性もある。