米シリコンバレーの著名なベンチャーキャピタルや投資家が集結して、「OpenAI」という非営利の人工知能(AI)の研究機関を設立することが、2015年12月に明らかとなった。OpenAIは、営利企業が直面する利益追求や学術機関の補助金集めといったプレッシャーに追われることなく、社会に貢献し得るAI技術を研究することを目指している。
OpenAIの共同会長には、Tesla Motor及び宇宙開発企業SpaceXのCEOであるイーロン・マスク氏と、Airbnb、Dropbox、Twitchの立ち上げを支援したベンチャーキャピタル「Y Combinator」社長のサム・アルトマン氏が就任する。これにPayPalの共同創業者であるピーター・ティール氏、Y Combinatorの創業パートナーであるジェシカ・リビングストン氏、フィンテック系サービス「Stripe」の元CTOであるグレッグ・ブロックマン氏らを加えた5人が発起人となり、Amazon Web Services、Infosys(インド)、YC Researchといった企業も参加して、最低でも10億ドルを出資する。
OpenAIは今後、学術機関や商業機関とも協力していく方針であり、研究の成果やデータはオープンソースとして公開し、誰もが利用できるようにする計画である。