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2016.08

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米国大手IT企業4社が4月~6月期決算を発表

米国の大手IT企業4社が2016年の4月から6月期の決算を発表した。グーグル、フェイスブック、アマゾンが大幅な増収増益となった一方で、アップルはiPhoneの販売不振で減収減益となった。

◇アップル、iPhoneの販売不振が影響
アップルは、売上高が前年同期比15%減の423億5800万ドル(約4兆4300億円)、純利益が27%減の77億9600万ドル(約8200億円)となった。

これは、同社の売上全体の約6割を占めるiPhoneの販売が不振だったことが主な要因である。同四半期のiPhoneの販売台数は15%減の4039万台で、売上高は23%減の240億4800万ドルだった。また、MacとiPadの販売台数も前年割れとなり、Macは11%減の425万台、iPadは9%減の995万台だった。スマートフォンやタブレットの普及が一巡したことや、中国メーカーとの競争が激化したこと、今年秋に新型iPhoneの発売が予想されるためユーザが買い控えしたことが影響したものと思われる。

昨年販売したアップルウォッチや、アップルTVなどの新デバイスも、iPhoneの不振を補うほどの人気は得られておらず、これらを含む「その他」の売上高は16%減の22億1,900万ドルだった。

同社にとって明るい材料としては、アップストアやアップル・ミュージック、iCloudなどのサービス事業が好調だったことで、売上高は19%増の59億7,600億ドルとなり過去最高を記録した。

アップルは、iPhoneの不振をカバーするものとして、今後、インド事業に注力するとともに、クラウドサービスや電気自動車の開発など新規事業の開拓に取り組むことが予想される。

◇グーグルとフェイスブックはモバイル・動画広告が好調
アルファベット傘下のグーグルと、フェイスブックは共に、モバイル広告および動画広告が好調で、大幅は増収増益となった。

アルファベットの売上高は、21%増の215億ドル(約2兆2600億円)で、純利益は24%増の48億7700万ドル(約5100億円)。グーグルの広告収入は19%増の191億4300万ドルとなり、売上高全体の約90%を占めた。また、グーグルプレイやクラウドなど「非広告」事業も好調で、収入は21億7200万ドルで、前の年を33%上回った。

ブロードバンドや自動運転など「その他」部門の収益は2.5倍の1億8500万ドルとなったが、先行投資がかさみ、営業損失は8億5900万ドルに拡大した。

グーグルに対する懸念材料としては、欧州委員会が同社の検索広告事業やアンドロイドOSに対して、EU競争法違反の疑いがあるとして調査を開始。違反が確定されれば、巨額の罰金支払いや、抜本的な商慣行の変更を命じられる可能性があり、同社のビジネスに大きな影響が出る可能性も指摘されている。

フェイスブックはスマートフォン向けの動画広告が好調だったことから、売上高は59%増の64億3600万ドル(約6800億円)で、純利益は2.9倍の20億5500万ドル(約2200億円)だった。

主力事業の軸足をモバイルに移行することを進めてきたフェイスブックは、その目標をほぼ達成。同社の売上高の大部分が広告収入で63%増の62億3900万ドルで、そのうちモバイル広告が84%を占めた。

月間ユーザ数(MAU)は前の年より15%多い17億1000万人に増え、モバイルからのMAUは20%増の15億7000万人だった。この他にも傘下のチャットアプリ「WhatsApp」のMAUも10億人、写真共有アプリ「インスタグラム」のMAUは5億人にもぼる。

同社は今後、発展途上国におけるネット接続事業や、人工知能および仮想現実の開発などに注力する方針を示している。

◇アマゾン、クラウド事業が好調
一方、アマゾンは主力事業であるネット通販に加え、クラウド事業が好調だったことから、売上高は31%増の304億ドル(3兆2000億円)、純利益は9.3倍の8億5700万ドル(900億円)となった。クラウド事業の収入は58%増の28億9000万ドルで、売上高全体の約10%を占めるまでに成長した。

同社のジェフ・べゾスCEOは今後の事業方針について、約30億ドルを追加投資し、インド事業を強化すると同時に、プライム会員向けの新商品開発も継続して実施すると語った。独自コンテンツ制作や、IoTサービス「ダッシュボタン」、生鮮食料品宅配サービス、ドローン配送サービスの拡充を図る。