スウェーデンの電子機器メーカーEricssonは11月19日、全世界の大都市31のICT環境に関する調査結果「Networked Society City Index2013」を発表した。これは対象各都市を社会・経済・環境問題への対処とICT成熟度(インフラ、サービスの入手しやすさ、サービス利用状況)の2つの観点に基づく15の指標を用いて分析、ランク付けしたもので、Ericssonはこの調査を通じて、市民のICT利用への支援が都市経済の発展に効果的であることが確認できたとしている。
各指標の項目は以下のとおり。
- 社会・経済・環境問題への対処(Triple Bottom Line):社会(医療、教育、ソーシャル・インクリュージョン)、経済(生産性、競争力)、環境(資源、環境汚染対策、気候変化対策)
- ICT成熟度(ICT Maturity):インフラ(ブロードバンド・サービスの質、サービスの入手可能性)、サービスの入手しやすさ(料金、IP化のコスト)、利用(技術利用、個人利用、公共機関あるいは市場での利用)
ランキングのトップ3は、1位:ストックホルム、2位:ロンドン、3位:シンガポールである。ストックホルムとロンドンがトップに挙げられた理由は、多業種の企業が技術革新に協働し成果を挙げていることであり、シンガポールは情報社会化政策が経済全体を潤した好例とされている。
東京はトップグループに入っているが総合順位は10位であった。東京に関する評価は、6位のオスロ(ノルウェー)とともに、社会・経済状況は良好でありながらICT環境の成熟度がそれに追いつかないというものであるが、2011年の震災後のスマートシティへの関心の高まりには期待が寄せられている。
表 都市ICT化ランキング
順位 |
都市名(国名) |
順位 |
都市名(国名) |
1 |
ストックホルム(スウェーデン) |
17 |
サンパウロ(ブラジル) |
2 |
ロンドン(英国) |
18 |
イスタンブール(トルコ) |
3 |
シンガポール(シンガポール) |
19 |
北京(中国) |
4 |
パリ(フランス) |
20 |
上海(中国) |
5 |
コペンハーゲン(デンマーク) |
21 |
ブエノスアイレス(アルゼンチン) |
6 |
オスロ(ノルウェー) |
22 |
ヨハネスブルク(南アフリカ) |
7 |
香港(中国) |
23 |
メキシコシティ(メキシコ) |
8 |
ニューヨーク(米国) |
24 |
マニラ(フィリピン) |
9 |
ヘルシンキ(フィンランド) |
25 |
ジャカルタ(インドネシア) |
10 |
東京(日本) |
26 |
デリー(インド) |
11 |
ロサンゼルス(米国) |
27 |
カイロ(エジプト) |
12 |
マイアミ(米国) |
28 |
ムンバイ(インド) |
13 |
ソウル(韓国) |
29 |
ラゴス(ナイジェリア) |
14 |
台北(台湾) |
30 |
カラチ(パキスタン) |
15 |
シドニー(オーストラリア) |
31 |
ダッカ(バングラデシュ) |
16 |
モスクワ(ロシア) |
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出所:Ericsson「Networked Society City Index 2013」