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2023.11

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オープンAIのCEO解任劇、背景には生成AIの「普及」と「安全性」を巡る対立
対話型AI「ChatGPT」を開発し時代の寵児となった、オープンAIのサム・アルトマン氏のCEO解任騒ぎは、11月21日、同氏のCEO復帰という形で収束した。

オープンAIは17日にアルトマン氏を突如解任。19日には、マイクロソフトが同氏をAI研究チームの責任者として迎え入れることを発表した。しかし、20日には、オープンAIの従業員が、取締役全員が辞任しない限り同氏に続いてマイクロソフトに移籍すると書簡で警告。従業員約770人のうち700人超が書簡に署名した。これを受け、21日に同氏のCEO復帰と取締役会の刷新が決定した。新たな取締役会では、元セールスフォースCEOのブレット・テイラー氏が取締役会長に就任し、元財務長官のラリー・サマーズ氏とクオラCEOのアダム・ダンジェロ氏が取締役員を務める。

騒動の発端が何だったのかは不明だが、一部報道では、営利のため生成AIの普及を急ぐアルトマン氏と安全性を重視する取締役会メンバーとの対立が火種になったと伝えている。オープンAIが露呈したガバナンスの脆弱性は、生成AIに対する懸念を強める恐れもある。

なお、騒動の約2週間前の11月6日には、オープンAI初となる開発者向けイベントが開催された。イベントでは、提供開始から1年が経つChatGPTの週間アクティブユーザ数が1億人を超えたことや、200万人以上の開発者が同社API(Application Programming Interface)を通じてソリューションを構築していることが発表されたほか、大規模言語モデル「GPT-4」の改良版である「GPT-4Turbo」も公開された。また、ユーザがChatGPTを用途に応じてカスタマイズできる「GPTs」や、GPTsを世界に公開できる「GPT Store」を11月に立ち上げることも明らかにされた。生成AI開発競争が激化するなか、ChatGPT経済圏を拡大する狙いがあると見られる。